いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



第95回記念選抜高等学校野球大会 第5日

第1試合
光(山口) 2-0 彦根総合(滋賀)

光のエース升田、99球11奪三振で完封。
酷い決定力不足を見た。光は10安打に2四球と2失策まで貰ってたったの2点。しかも1~7回で5回も2塁までランナー薦めていおいて先制は8回。いつ相手の流れになってもおかしくない状況で、相手打線を力でねじ伏せたエース升田が凄かったのか、彦根総合打線が情けなかったのか。
彦根総合は守備はよく粘ったが、打線が最後まで升田のストレートに振り負けていたので何か工夫が欲しかった。



第2試合
常葉大菊川(静岡) 0-3 専大松戸(千葉)

初回の3点で一方的な試合になるかと思いきや、その後は右の速球派専大松戸平野と左の軟投派常葉大菊川久保の投手戦に。
常葉大菊川は相手を上回る7安打を打ちながらあと1本が出ず完封負け。久保が立ち直っただけに1回が何とももったいない。
専大松戸は初回に四死球にとエラーで点を貰えたが、その後はびっくりするほど打てなかった。平野におんぶにだっこでは次はない。
それにしても今大会は全体的に残塁が多いなあ。



第3試合
城東(徳島) 2-5 東海大菅生(東京)

東京王者が21世紀枠相手に順当勝ちした試合だが、変な空気の試合だった。
東海大菅生が勝って当たり前の空気に緊張したのか、元監督のアレで自粛ムードだったのか、乗り切れないというか覇気のない感じ。
一方、城東は積極的な打撃が光る溌剌プレイ。守備のミス多く、それが失点に繋がって負けたが、城東の方が勝ってるみたいな雰囲気だった。

「ミリは猫の瞳のなかに住んでいる」四季大雅(電撃文庫)

瞳を覗き込み過去を読み取る能力を持つ大学生・紙透窈一。退屈な大学生活を送る中、彼は野良猫の目を通じて、未来視の能力を持つ少女・柚葉美里と出会う。猫の瞳越しに過去の世界と会話が成立することに驚くのもつかの間、ミリが告げたのは衝撃的な『未来の話』だった。
「これから連続殺人事件が起きるの。だから探偵になって運命を変えて」
調査の過程で絆を深める二人。直接会いたいと願う窈一だったが……
「そっちの時間だと、わたしは、もう――」
死者からの手紙、大学の演劇部内で起こる連続殺人、ミリの言葉の真相──そして、嘘。過去と未来と現在、真実と虚構が猫の瞳を通じて交錯する新感覚ボーイミーツガール!

第29回電撃小説大賞《金賞》受賞作


相手の瞳から過去を読み取れる男子大学生と未来視の能力を持つ少女、ネコの瞳を通じて出会うSFボーイミーツガール。
タイムパラドックス要素有りのSFと、探偵ミステリではご法度な不思議要素を、小学館ライトノベル大賞でも大賞を獲った作者がどう料理してくれるのか、大変楽しみにしていたのだが……。
酒が入った寝惚けた頭で読んだら全く話の流れが理解できず、次の日素面でもう一度読んだがやっぱり理解できなかった。現実と演劇と瞳を通して見る未来の境目を曖昧にして不思議ワールドを作ろうとしている、その努力のようなものが何となく見えただけだった。あまりにも散らかっていて纏まりがなく、ページ配分もおかしい。パーツでも見ても、SFとしては前提条件が何だかおかしく、そうなるとミステリとしては当然破綻していて、半端なサイコホラー感だけが残るラストもボーイミーツガールとミスマッチ。SF+ミステリ+ボーイミーツガールだけでもすでに盛り過ぎな感があるのに、そこに演劇と愛憎劇とサイコホラー、おまけに現在の社会情勢(コロナ)までぶち込んだら、文庫一冊のページ数で足りるわけがない。
そして一番の問題は、
SFにしてもミステリにしてもなんにしても越えてはいけないライン、悪く言うと暗黙の了解、良く言えば作者と読者の信頼関係のライン。本作はそれを踏み超えてしまったから、真面目に考えて読んでいた読者がバカを見て、結末には何の感動もなく白けるだけの結果になってしまったのではないかと。
文章量と熱量からすると、ミステリでもSFでもなく演劇をメインに書きたかったような気がするんだよなあ。それなら普通に大学生が演劇に情熱を燃やす青春小説でよかったのに。
好きなものを全部乗せした結果、カオスになってしまった悪い意味で新人らしい作品。これ、本当にガガガ文庫の大賞作品と同じ作者なの? 完成度が全く別物で別人が書いたとしか思えない。

第95回記念選抜高等学校野球大会 第4日

第1試合
能代松陽(秋田) 3-0 石橋(栃木)

能代松陽エース森岡、12奪三振2安打完封。
打線は拙攻でなかなか援護点を取ってくれなかったが、1点あれば十分な堂々のピッチング。
石橋は8回にエラーが出てしまったところまでは良く守ったが、如何せん打力不足。追い込まれたら臭い球は振ろう。見逃し三振はつまらない。



第2試合
龍谷大平安(京都) 4-3 長崎日大(長崎)

龍谷大平安がシーソーゲームを制して初戦突破。
7回勝ち越された直後の2アウトから連続代打成功での同点(その後逆転)は熱かった。流石はベテラン監督。勝負どころを知っている。
長崎日大はあと一歩及ばず2年連続初戦敗退。7回のダブルスチールでの勝ち越し点奪取は見事だった。ただ、ワイルドピッチで2失点がもったいない。
長崎日大先発の廣田君は顔は細いし目の下に隈はあるしで、見ていて病気かと心配になってしまった。緊張で寝れなかったんだろな。



第3試合
仙台育英(宮城) 2x-1 慶応(神奈川)(延長10回)

今大会初の延長戦は夏王者仙台育英がサヨナラ勝ち。
押していたのは慶応だったが、仙台育英が少ないチャンスをものにして先制。9回追い付かれての延長タイブレークでは、一度はレフトのファインプレーに阻まれながら、一番山田のヒットでサヨナラ。流れが悪くても会場の雰囲気が相手寄りになっても勝ち切った姿に、王者の底力を見た。
慶応は先発の背番号10小宅が鋭く落ちるスライダーで仙台育英打線を翻弄。なかなか点を取れなかった打線も9回に追いつき押せ押せだったのだが。言っちゃ悪いが5打席全部ランナーありで回ってきて、一度も打てなかった四番の責任だ。

「異世界転移、地雷付き。8」いつきみずほ(ドラゴンノベルス)

新たにチームに加わったケモ耳姉妹の「冒険者デビュー戦」。さぁ、ダンジョンを進め!
新しく仲間に加わったメアリとミーティアの姉妹が冒険者になりたいと言い始めた。ナオたちはふたりに経験を積ませるために、ダンジョン探索をすることに。すると初めての冒険にもかかわらず、幼い獣人の姉妹は思わぬ力を発揮して――!? 進むは階層ごとに環境が変化する摩訶不思議なダンジョン。新体制の“明鏡止水”の結束が、今、試される!


ハルカ様の赤面三連発キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
カラー口絵もネックレス嫉妬も可愛かったけれど、やっぱりサイドストーリーの挿絵でしょう。この世界のエルフはテンパると耳がパタパタするのか。かわいいじゃねーか。普段は冷静沈着な頼れる姉さんが恋する乙女する姿は堪りませんな。
ストーリーの本題は、メアリとミーティアを加えて7人になったナオたち明鏡止水によるダンジョン攻略。
web版と大まかな流れは同じだが、獣人幼女二人が準備期間なく早々にメンバー入りしたのと、ダンジョンに閉じ込められる心の準備が事前に出来ていたのが大きな違い。前者はともかく後者はweb版の方がいいかな。彼らの5人揃っている時の心の安定感と生存能力の高さを知らしめる機会なので、そこが薄れる展開にしてしまったのはもったいない。
あと予想外だったのはお肉要員魔獣ピッカウのキャラデザがあった事。しかもカラーで。これはカワイイ牛さんですね。この円らな瞳で見つめられたら倒しにくし食べにくいなw まあ、実際は突進してくるんだろうからそれどころではないけれど。
書き下ろしサイドストーリーは「翡翠の翼」。
あの三人がナオたちに会いにラファンに?な話だが、これはweb版の話の流れから考えると、明鏡止水は護衛任務で居なくて会えないパターンだろうなあ。上手くいってるパーティーは巡り会えない運命になってそう、あの邪神的に。
この話では彼女たちが伝え聞く明鏡止水のうわさ話でめっちゃ笑った。噂の尾ひれはひれって怖いわーw 大筋でいうとそんなに間違いでもないのがなお怖い。
今回、本編はダンジョン内の中途半端なところで終わっていて、二つのサイドストーリーが護衛任務行きを示唆しているような気がするので(希望的観測)、続きがあると信じている。まずはハルカ様のドレス姿お願いします!

第95回記念選抜高等学校野球大会 第3日

第1試合
海星(長崎) 5-1 社(兵庫)

終わってみれば海星の快勝。
足を絡めて内野ゴロでも外野フライでも1点を取りに行った海星と、決定力不足で残塁を重ねていった社。投手力守備力打撃力に大きな差は感じられなかったが、海星の方が攻撃が上手かった。これは監督の差かな。



第2試合
二松学舎大付(東京) 0-5 広陵(広島) 

広陵が快勝。
投げては先発高尾の要所を締めるピッチングなどで今大会初の無失点。打っては3番真壁が3安打1打点の活躍など12安打。投打ががっちり噛み合った。
二松学舎大付は毎回のようにランナーだけは出したが、中軸は力み過ぎ、下位打線は力不足で点が取れる雰囲気がまるでなかった。
広陵は相当強そう。ただ、去年もそう思わせておいて2回戦でコロッと負けたからなあ(^^;



第3試合
敦賀気比(福井) 1-3 大阪桐蔭(大阪)

連覇を狙う大阪桐蔭が投打ともに苦しみながらも初戦突破。
打線は予想外の先発左腕に苦戦、エース前田も7回9回以外は毎回ランナーを許す苦しいピッチング。それでも勝つのが王者か。恐らく分析してきたであろう、敦賀気比エース辻が出てきた瞬間に牙をむいた7回は恐ろしさの片鱗を見せた。
敦賀気比は相手を上回る8安打を打ち、思惑通りに接戦に持ち込んだが一歩及ばず。
好守備あり後逸ありの攻めの守備が良くも悪くも印象的。見ている分には面白かったけど、外野守備がギャンブルすぎないか? 後逸2つがなかったら1-1だった可能性もあるので、飛び込む時は状況を考えてと言いたい。