いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



2/20の雑談

暑い!
ロンティー1枚で十分な2月ってなんなの?



吉野匠さん死去

https://www.alphapolis.co.jp/files/pdf/alphapolis20190220.pdf

え? えっ!? 『レイン』ってまだ完結してないですよね?
ネット小説の先駆者であり、多くのレーベルで活躍されていた作家さんなので、いくつか作品を読ませていただいているだけに、知っている作家さんが亡くなるのはショックだ。
心よりご冥福をお祈りいたします。

「おいしいベランダ。 スミレと6粒のチョコレート」竹岡葉月(富士見L文庫)

栗坂まもりは、イケメンだけどベランダ菜園マニアの亜潟葉二とお隣さんで恋人どうし。
マンション改装も終わった冬。張り切って新たにスミレをベランダ菜園にお迎えしたまもり。バレンタインにこの花を活躍させる計画でわくわくする一方、友人の湊と周の間には不協和音が!
……湊ちゃん、わたしに何かできることはないかな? 友人のために心を砕くまもり。
一方で、見守る葉二には仕事の転機が訪れ――?
ベランダ菜園に2つの恋の嵐が巻き起こる、大人気シリーズ6巻!


表紙の右の子が湊ちゃんかな。美人さんだ。で、真ん中の好青年は誰だ? アガタサンがこんな にこやかな顔する筈がない!w

マンション改装と引っ越し騒ぎを経て、やっと日常に戻ったシリーズ第6巻。
「ベランダ菜園に2つの恋の嵐が巻き起こる」となっているけれど、まもりと葉二は順調そのもの。むしろ、まもりからのスキンシップが増えていてラブラブ度が増している。
一方、本当に嵐だったまもりの友達・湊と周の不和は、湊がまもりに言う(主に愚痴)情報しかないので、話のメインにはなっていない感じ。年齢性別的にどうしても葉二目線で読んでしまうのも、そう感じる理由なのかも。こういうことに大きく動揺しなくなったまもりの成長と、二人のお付き合いの安定感が増していることを感じられる方が嬉しい。
嬉しいと言えば、葉二2回目の栗坂家訪問の顛末。
ついに最強のラスボスみつこさんが折れた! あのラブラブクッキングの様子を聞かされたら、あてられますよねー。帰り際の玄関でのやり取りが、青ざめる葉二は面白いし、業腹みつこさんは面白いしで最高。
これで二人の仲も盤石かと思われたラストに、また離れ離れの気配が! もう一つの恋の嵐は次回ってことか。
前回はドタキャン回避だったけど、今回二人はどんな選択をするのだろう。次巻が待ち遠しい。

「りゅうおうのおしごと!10」白鳥士郎(GA文庫)

竜王、遂に小学校の教壇に立つ!
「澪たち、くじゅるー先生に鍛えてもらいたいんです!」
小学生の将棋大会『なにわ王将戦』で優勝を目指すJS研。
しかしあいの新しい担任にJSとの同居を問題視された八一は、自らの潔白を証明するため小学校で将棋の授業を受け持つことに。
一方、女流名跡リーグ進出を目指すあいの前には謎の女流棋士が立ちはだかり、そして銀子は地獄の三段リーグで孤独な戦いを始めようとしていた――。
それぞれの戦場で繰り広げられる魂の激突。決意と別離の第10巻!
小さな背中に翼が生えたとき、天使は自らの力で羽搏き始める!!


小学五年生に上がったあいとJS研の澪と綾乃が、それぞれの戦いに挑むシリーズ第10巻。
今回は小学生が主役。クズロリ王大活躍で、頓〇しろ!の声がどこからか聞こえてきそう。
女流名跡リーグ進出をかけた大事な一番。ようやく回ってきたあいの番。と思ったら、小学生のアマチュア大会の前座かい! 前から思っていたけど、あいの将棋での扱いって軽くない? 熱が入る大一番はタイトル戦までおあずけってことなのかな。
そんなあいの活躍よりも、その時に明かされた八一のあい育成方針の方が強烈なインパクトを残していった。将棋が関わるとどこまでもクレイジーだな、この主人公。
さて、メインイベントになった『なにわ王将戦』は、
このシリーズは、才能、努力、根性のスポ根要素の強い物語であるが、今回はスポ根に欠かせない要素の一つ「友情」で泣かせにくる。
この1年で育まれたあいと澪の友情、その前から続く澪と綾乃の友情を軸に、小学生名人という強大な敵と相対する対局が熱い。盤に向かうのは一人でも、決して一人で戦っているのではないと、戦う前のサポートや前の対局の影響、友達への憧れなどのエピソードが、一つ一つ語られていくストーリーが涙腺を刺激する。
それと隠れてもう一つの友情も。ぶらっくきゃっとさんマジかわいい。ツンデレの鑑ですわ。
小学生メインとあって軽めの回ながら今回も面白かった。と言おうとしたら、最後の最後に爆弾が。
6巻からずっとこんな状態なんだから早く救い……は本人が求めないか。せめて戦うための帰る場所を作ってあげて、八一くん。小学生に「一人じゃない」と語った君ならそれができるはず。ただこの主人公、将棋が関わると鬼になるのよね……。

「魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画 (2)」佐島勤(電撃文庫)

西暦二〇九六年五月、榛有希が司波達也に敗北をしてから約二年の月日が流れた頃。彼女は黒羽文弥直轄の暗殺者として日々依頼される仕事をこなしていた。
そんな中、有希の許に四葉家より“暗殺者見習いの少女”桜崎奈穂が派遣されてくる。自らのコンプレックスを鏡に映したような奈穂の幼気な容貌に辟易しつつも、二人の奇妙な共同生活が始まった。
そして、新たなるターゲットが決まる。
それは『人間主義』を掲げ、司波達也暗殺を目論むとある教団。奈穂は自らの能力を示すため独断専行を試みるが――。
落ちこぼれ? それとも? 独自なフラッシュ・キャストを扱う奈穂の力とは!?

魔法科高校の劣等生』スピンオフ作品第二弾。1巻の事件から2年後、本編では12巻と13巻の間の話。



このスピンオフ、思っていたのと大分違った。
毎回、達也を狙うことになる可哀想な人が主人公になる話なんだと思っていたら、2巻も榛有希の物語であり、彼女から見た黒羽文弥の物語だった。そして今回から桜シリーズの新キャラ、桜崎奈穂も参戦。

本編より、このシリーズの世界が感じられる話だな、と。
本編の方は世界有数の魔法師たちによる世界魔法大戦になっているので、有希や奈穂のようなごく普通の、または平均よりも劣った能力しか持たない魔法師から見たこの世界の景色が感じられるのが新鮮。何かしらの閉塞感や生きにくさをそれぞれに抱えているのは、時代が進んでも変わらずか。リアルだ。
それと、その普通の人達から見た達也や四葉家の姿も見えるのがいい(一応魔法師で裏稼業な時点で普通ではないが)。
中でも有希の達也やヤミに対するぼやきが面白い。大魔王て。合い過ぎて笑うわ。残念ながら最後の一言は手遅れだろうなあ。一度触っちゃったから、祟られ続けるだろう。
3巻の予定もあるそうで。奈穂によって改善された有希の生活状況がどうなっているかが見物。