いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「やさしい魔女の救いかた」井上悠宇(LINE文庫)

魔法が当たり前に存在する現代世界。ごく少数だけいる魔法使い――魔女は古来より人々の悩みを魔法で解決していた。
ある日、いつも六法全書を小脇に抱えている法律マニアの男子高校生の四方司は、魔法を悪用した疑いで魔女裁判にかけられそうになった見習い魔女から助けを求められるが――。
今も昔も魔女裁判で無罪になった魔女は存在しない。
これは、ルールは人を幸せにすると信じる少年が、魔法は人を幸せにすると信じる少女を救う物語。


少ないながらも魔女が実在する現代。常に六法全書を手元に置くあだ名がベンゴシの変人転校生が、正義の魔女に掛けられた冤罪を晴らすために知恵を絞る物語。
そう、事件解決のために「奔走する」のではなく「知恵を絞る」である。人間の法律に照らし合わせて、魔女の無罪を実証するにはどうすればいいのかを、魔法を直に知って見て感じて考えるのがのがメイン。
なので、思っていたよりキャラの動きが少なく、代わりに口が良く動く物語だった。ミステリで言うと安楽椅子探偵もの、ライトノベルで言うと、その部室内で物語が成り立つ文化系の部活ものタイプの作品。
また、法律は人の幸せを守るためのルールだと信じる正義の人な主人公と、他人の幸せの為だけに魔法を使う心優しい少女の物語でもあるので、読んでいて清々しく優しい気持ちになれるのも良かった。
少年と魔女のボーイミーツガールを期待して読むと少し物足りないかもしれない。理詰めで攻める、思考の過程が読める話や、屁理屈をこねくり回すタイプの話が好きな人にはきっと受ける、そんな作品。個人的には大好物。

11/10の雑談

冬支度

こたつ布団出しました。
つい最近、扇風機をしまった気がするんだが(^^;



レトルトカレー地獄

手抜きお昼用に4袋セットのを買ってあった。
=4食
お通夜のお返しにレトルトカレーが2袋入っていた。
=4+2=6食
お通夜のお返しにレトルトカレーが4袋入っていた。
=6+4=10食
車検の時、タイヤを代えたら何故かおまけでレトルトカレー10袋が付いてきた。←new!
=10+10=20食

一昨日と今日で5食分消費しても、残り15食(´p`)
他にビールのおまけで付いてきたこくまろ(中辛)もあるんだ……
カレーうどんやカレーにゅう麺にしてもカレーはカレーだからなあ(^^;

11/9の雑談

11月上旬で

年賀状図案ほぼ完了。自分の分を含めて4種。
ちなみに年賀状はまだ買ってないw
年賀像は年末にぼちぼち……やってる時間あるかな?(^^;



お届き物

「三角の距離は限りないゼロ4」岬鷺宮電撃文庫
「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」九岡望電撃文庫
「ぼくの妹は息をしている (仮)」鹿路けりま(電撃文庫

「オタクと家電はつかいよう ミヤタ電器店の事件簿」田中静人(宝島社文庫)

「うちの社長は笑いません。ですが、お客さまの笑顔のために努力しています」という求人広告に惹かれ、「ミヤタ電器店」に転職した森野美優。人の気持ちは読めないが、家電に詳しい店長の宮田とともに「なんでも対応」をポリシーに、家電トラブルに隠された人々の想いや悩みを次々と解き明かしていく。一風変わった仕事にやりがいを感じる美優だったが、彼女の周辺で奇妙な事が起き始め……。


地元の電器店に転職した主人公が、家電オタクな店長と一緒にお客さんの悩みを解決していく日常ミステリ。
業務が電器屋のそれとはかけ離れているので、お仕事小説としては期待外れ。説明癖のある店長が話が途中で遮られてしまうので家電薀蓄としても微妙。その代わり、予想外といっては失礼だが、日常ミステリが面白かった。
優れた嗅覚と知識と洞察力を持った宮田店長が問題の原因(時にはトリック)を暴き、人の機微に敏感な主人公の美優が動機の面から問題を起こした理由や解決策を探っていくという分業制の探偵像が新鮮で面白い。それに人の機微に疎い宮田と、家電に詳しくない美優が、お互いを補いながら二人で一つの答えを導くいいコンビ感に、何とも言えない気持ちよさがある。
但し、最後の事件の顛末が酷い投げっぱなしなので、読後感はモヤっと。
この作品としても社会的にも、最後の事件をなあなあのまま終わらせるのはダメだ。あり得ない。
真犯人は、警察に突き出せないなら家族が精神科に連れて行かないと。必ずまたやらかす。それに犯人に間違われた女性は、同じ場所にいたはずなのにどこへ消えた? 完全に忘れ去られた上に、彼女の問題は何も解決していないのだが。
二人三脚探偵は本当に面白かっただけに、最後が本当に残念。主人公は自分の問題から立ち直れたわけではないし、最後の彼女のこともあるし、続きが出てスッキリさせてくれるといいのだが。