いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「結婚が前提のラブコメ」栗ノ原草介(ガガガ文庫)

“結婚できない人を結婚させる仲人”、白城縁太郎は今日も婚活女子のサポートに奔走している。言動がアレなエロ漫画家、牡丹(25♀)。ひたすら玉の輿を狙う元令嬢、カレン(年齢非公表♀)。究極のダメンズほいほい保育士、まひる(30♀)。そして、とある婚活パーティで出会った結衣(26♀)は、なにやらワケありの様子で……? 結婚するには難アリな彼女たちと過ごす、第二の青春。そこには、笑いと涙、葛藤と希望が満ちていて――。
ぜったい結婚したい系婚活ラブコメ、ここに開宴!


独身ながらに、祖母から受け継いだ結婚相談所を切り盛りする青年の物語。
結婚相談所や仲人の存在が現代社会とは違う独特な世界観で、一風変わったお仕事小説として興味を惹かれる内容だった。また、顧客の女性の親身になってサポートする姿に誠実さを感じさせる、主人公の縁太郎の人柄も好ましい。
でも、これはラブコメなのか?
主人公は仲人であくまでサポート役でラブの気配はなく、顧客の女性が紹介した相手と交際に発展することはあっても、それが話の前面に出てくることはないので、どちらにしてもラブを感じることがない。それに婚活にはみんな真剣で、コメディらしく笑えるところも見当たらない。強いてコメディらしいところを上げるならメインヒロインの変わった趣味ぐらい。
これなら適齢期を過ぎた必死さ故の空回りを笑いに転換した方が、素直にコメディになったような気がするが。本気で取り組んでいる人をネタにするのは憚られたんだろうか? 
変わった世界観にはおっと思うところがあったものの、ラブコメだと思って読み始めた所為か、今一つピンと来ない話だった。

1/22の雑談

●小休止

あーーーーーー、やっと急遽入った急ぎの仕事終わったーーーーー
づーーがーーれーーだーー

次の仕事の資料が届くまで暇人を満喫するのだ!
とりあえず、もう4か月以上切ってない髪を切るのと、本棚からあふれた本を売るのが最優先事項。
と思ったら、明日からしばらく雨だと? 出掛けるのが億劫になるやん(´・ω・`)
つーか、なんだこの梅雨みたいな週間天気予報(^^;



新型肺炎

どうせ、発表の10倍くらい患者が居て、人から人への感染も前々から分かってたんでしょ?
中国だもの、発表の信憑性ゼロ。



エスパルス移籍事情

ブラジル人GKやFWの補強が噂されているものの、なかなか公式発表として出てこない。
……いや、そんなことよりCB補強しなさいよ!(`Д´#)
そんな中、松原がベルギー移籍。
Jでもさほど目立った活躍は出来ていないけど大丈夫だろうか。ベルギーの水が合って覚醒・・・は夢見過ぎかな。



NPBと12球団が「ワンポイント禁止」本格検討へ

なんでもかんでもアメリカに右倣えするのはやめろ!
時短を理由に野球からどんどん采配の妙と駆け引きがなくなっていく……。

「Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度」古宮九時(電撃の新文芸)

「私と結婚してくれるんですか!」
「しない。どうしてそうなった」
呪いの打破を願って魔法大国トゥルダールを訪れたオスカーは、城で眠っていた一人の女を連れ帰る。解呪を申し出た彼女ティナーシャは、次期女王として圧倒的な力を持ちながら、なぜか初対面のはずの彼に強い好意を抱いているようで……。
新たになった大陸の歴史、名もなき記憶の上に、再び二人が紡ぐ一年間の物語が始まる。


オスカーが飛んだ先の世界の歴史が紡がれる、第二部スタート。
ずっと、ハラハラさせられっぱなしの440ページだった。
白紙になった以前の世界との大きな変化と小さな変化が、少しずつ示されていくストーリーに目が離せないのだが、特に気になるのは小さな変化の方。
亡くなったはずの人物が生きていたり、同じ人物でも少し立場や人間関係が変わっていたり。それによってこの後の運命が変化しそうな予兆がそこかしこに散りばめてあって、どれも不穏な伏線に思えてしまう。これから二人はどれだけの試練を課せられるのか。
そしてもちろん、最もハラハラとソワソワさせらられたのが、オスカーとティナーシャの新たな関係。
素の性格は変わっていないのに、攻守が交代している。愛情表現が下手なティナーシャが押す側に回ったら、それはもう……。
それだけでもハラハラする要素としては十分なのに、新たな世界になって一番変わったのはティナーシャの年齢なのが、それに拍車をかける。
400年生きてきた前の世界のティナーシャと違い、400年寝ていたティナーシャは中身と見た目がイコールで、言動が普通に十代の少女。求婚する側もされる側も年齢に応じた余裕がある「大人の恋」だった前の歴史とは、印象がまるで違う。こちらのトラヴィスがよくちょっかいをかけてくるのも、ティナーシャが若いからだろう。四百うん歳と違って19歳はからかい甲斐がありそうだもの。
ずっと固唾をのんでティナーシャを応援していたような読書時間だった。そうしてみると、第一部はオスカーの物語だったんだなと。それでも、訝しみながらも態度が軟化しいくオスカーの様子に次第にホッとしていけたので、次はもっと二人の甘いやり取りを楽しめる?
世界の謎に二人の関係、気になることがいっぱいで次が待ち遠しい。

「午前3時33分、魔法道具店ポラリス営業中」藤まる(PHP文芸文庫)

夜ごと枕元に現れる鍵束と、繰り返し見る悪夢に悩まされている大学生の遠野晴貴。困った末に彼が辿り着いたのは、「不思議現象を解決してくれる」と噂の骨董店。そこは、同じ大学に通う、美人だが無愛想な女子大生・月城環が営む店だった。彼女は、鍵束の正体を突き止めるため、「午前三時」にお店に来るよう晴貴に告げるが……?
孤独に苦しむ男女の成長を描いた、号泣必至の現代ファンタジー


不思議な現象を起こし、日々の生活を脅かすこともある魔法道具。その魔法道具が持ち込まれる骨董屋『ポラリス』の物語。
魔法道具=死にゆく人の強い想いを宿してしまったもの。全部がそうではないようなのだけど、この話に出てくる魔法道具はすべてこのタイプ。そんな魔法道具とポラリスの店主・環を通じて、死者が生前に語れなかった想いや遺したものの真意を知る、切なくも優しい物語だった。
……というのが話のメインだと思うのだけど、個人的に押したいのはもう一つの側面。
この話は、左手で相手を触ると心が読めてしまうゆえに怖がられてぼっちな魔女・環と、左手で相手に触れると内心が伝わってしまうゆえに嫌われてぼっちな青年・遠野のボーイミーツガールでもある。
と、書くと重そうだが、二人のやりとりは軽くて甘い。
遠野の基本ヘタレだけど思い切ると行きすぎちゃう感じと、環の刺々しい口調とは裏腹のにじみ出る嬉しさ。二人してぼっちゆえの人との距離感の掴めてなさが、何とも微笑ましい。照れ隠しという名の軽口悪口の言い合いは、傍から見ている分にはイチャついてるようにしか見えない。
そんなぼっちな二人が、依頼者たちの人生や死者の優しさに触れ、閉ざしていた心を開いていく過程がまた良い。
人の機微が味わえた上で、可愛らしい大学生カップル(未満)の初々しさで2度おいしい物語だった。

「魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画 (3)」佐島勤(電撃文庫)

西暦二〇九六年一〇月。黒羽文弥の直下で殺し屋を生業とする榛有希。彼女に新たな依頼が舞い込んでくる。
今回の暗殺ターゲットは、国防軍の軍人たちだった。用心深く警戒を重ねる標的の懐になんとか潜り込んだ有希だが、『鉄シリーズ』を名乗る謎の乱入者に標的の命を奪われてしまう。その正体は、国防軍自らが過去に生み出した調整体の魔法師だった。
調整体の青年は、自らの手で国防軍への復讐を完遂すべく、立ちはだかる有希たちへもその牙を向ける――!
彼が放つ魔法は、有希の因縁の相手、司波達也が得意とする『術式解体』で――!


やっぱり、こっちのアクションはいいなあ。
戦略級魔法の大安売り、世界魔法大戦になっている本編と違って、スピンオフの戦闘シーンは想像しやすくて面白い。主人公の有希の戦闘スタイルがナイフ+シンプルな肉体強化なので、特に分かりやすくて熱くなれる。
それに、肉体強化以外の魔法は使えない有希や落ちこぼれの奈穂など欠陥があるメンバーばかりで、戦いに対して創意工夫と伸び代があるのが良い。お兄様無双よりこちらのスタイルの方が好み。
今回はさほどのピンチはなかったけれど、仲間が増えて個人としてもチームとしてもパワーアップし、大きな仕事を任されそうなので、次回が楽しみ。
……って言おうとしたら、え? 終わりなの?
本編が終わりそうだからこれで区切りらしい。この3巻がリッパーこと若宮との出会いから共闘までが書かれていて、新メンバー加入回って感じなんだけど。どうしてこんな中途半端なシリーズ構成になったんだ?(^^;