いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



1月の読書メーター

読んだ本の数 :8
読んだページ数:3064


先月より1冊少ないのに、ページ数は90ページほど多い不思議。
ダンまち悪いよーダンまちが。



今月のベスト2
「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 8」佐伯さん(GA文庫



「アストレア・レコード3 正邪決戦 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚」大森藤ノGA文庫


アストレア・レコードは先月発売だけど、読んだのが今月なので。
本編18巻よりこっちの方が感動・感涙指数が高かった。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 18」大森藤ノ(GA文庫)

白妖精は誓う。女神に捧げる忠義を。
黒妖精は刻む。ただそれだけの想いを。
小人は哭く。四つの後悔を力に変え。
戦車は進む。女神以外全てを切り捨て。
そして、猛者(おうじゃ)は問う。
夢想でも詭弁でもなく『力』の証明を。
「この身を超えられぬ者に、『女神』を救う価値などなし」
誰も、何も間違っていない。
ただ女神を想い、己(エゴ)を貫いて、かつてない『大戦』を駆け抜ける。
だから、誰よりも傷付き果てる少年は――黄昏の空に、『偽善』を告げた。
「あの人を助けるって、約束したんだ」
これは少年が歩み、女神が記す、
──【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──


オラリオ二大ギルドのフレイヤ・ファミリアとベルの居る弱小ギルトヘスティア・ファミリアによる、ベルを掛けた『戦争遊戯』が開幕。ヘスティア・ファミリアはどれだけ支援者を募っても大丈夫なルールだが、肝心の最大勢力ロキ・ファミリアの参入は禁止。絶望的な戦力差をどうやって覆し、ベルの未来を守るのか?“フレイヤ”の章、完結編。
いやもう、準備段階からどん底まで突き落とすぜ!って気配がむんむんで序盤から戦々恐々。
本戦には出られないロキ・ファミリアも準備の手助けはO.K.ということでアドバイスや稽古をしてくれるのだけど、その彼らの必死さが逆に不安を煽っているて、余計に悲壮感が漂うという。それにしても七章の章タイトルが酷いwww 
そして本戦、開幕早々案の定の蹂躙戦。
半分も行かないうちに(とはいっても普通の文庫本一冊分だが)、味方全員ボロボロでどうすんのこれ?な状態。でもそこからがやっぱり『ダンまち』。必然の窮地の連続の中、これまで縁を繋いできた者たちが、次から次へと助けに入るシンプルに熱い展開。こんなの燃えないはずがない。
中でも最高のタイミングでベルの助けに入ったリューのエピソードが最高だった。
外伝『アストレア・レコード』を読んでいたら感涙必死な大幅パワーアップの理由とそれに込められた想い、ストレートで心を打つ途中の告白、エピローグでのシルに対する思いの吐露。リューにまつわるエピソードは、これまで彼女が主役の外伝の集大成のようで、どのシーンでも感動しっぱなし。今回、終盤以外ではあまり活躍がなかったベルよりも主役をしていたような気さえする。
他にも『豊穣の女主人』のメンバーそれぞれの戦いや、ヘディン師匠の一人の女性に対する深い愛情と弟子に対するツンデレなど、燃えるシーン目白押し。
欲を言えばこの『戦争遊戯』の前提条件が恋愛事じゃなければな、とは思ってしまった。
この章の主役・フレイヤ様にさほど思入れがないので、エピローグでこの戦いの発端を思い出さされると、急に熱が冷めてしまったというか、余韻がなくなってしまったというか。何とも言えない脱力感が。
それに恋愛系の話でいうと、最推しヒロインのアイズがこんな激熱展開だったのにもの関わらず、契約で蚊帳の外だったのが大変不満。もうリューさんに周回遅れにされてそうなんだが。
この巻単体の『戦争遊戯』は文句なしで熱かった。しかし章という括りだと上手く感情移入できなくて少し心残り。
新章は『学区編』。楽しみだが、またダンジョンには行かないんだろうか……

「陽キャになった俺の青春至上主義」持崎湯葉(GA文庫)

陽キャ】と【陰キャ】。
世界には大きく分けてこの二種類の人間がいる。
限られた青春を謳歌するために、選ぶべき道はたったひとつなのだ。
つまり――モテたければ陽であれ。

陰キャの俺、上田橋汰は努力と根性で高校デビューし、陽キャに囲まれた学校生活を順調に送っていた。
あとはギャルの彼女でも出来れば完璧――なのに、フラグが立つのは陰キャ女子ばかりだった!?
ギャルになりたくて髪染めてきたって……いや、ピンク髪はむしろ陰だから!
GA文庫大賞《金賞》受賞、陰陽混合ネオ・アオハルコメディ!
新青春の正解が、ここにある。

第14回GA文庫大賞《金賞》受賞作


陰キャだった中学時代の自分を捨て、春休みの血の滲むような努力を経て見事高校デビューを決めた主人公が、何故か寄ってくる陰キャたちにも青春を謳歌させようと奮闘する青春ラブコメ
受賞作なので新人かと思ったら、5年以上書いている作家さんじゃないか。新人賞特有の詰め込みはないし、会話のテンポや掛け合いがやけに熟れているなとは思ってた。作者名でブログを検索したらダッシュエックス時代に『その十文字~』や『モノノケグラデーション』を読んだことがあった。ああ、あの人か。
その頃のイメージそのままに、清く正しい青春ラブコメという印象。陰キャ陽キャとカテゴライズして、その枠に人を当てはめたり自ら閉じこもったりするなよ!という主張を軸に、登場人物たちが青春を楽しんでいる作品。
陰キャやオタクと言われる、ラノベを読むメイン層の“俺ら”を主人公にしながら、卑屈になることなく変に偽悪的になることもなく、正しいことを正しいと声高らかに主張してくれているので、読んでいて気分がいいし読後感が爽やか。ただ、終盤はその「正しいこと」にこだわり過ぎて、説教臭くなっている面があるのが玉に瑕。
また、前述のとおり会話はテンポが良くて面白く、ストーリーラインもスッキリとしていて読みやすい。新人じゃないのでこういう言い方は失礼だが、《金賞》受賞作としては完成度の高い作品。
なんて、全体的なふわっとした感想に終始しているのは、これといって刺さるキャラクターが居なかったからなんだけど。強いて挙げるなら、いい先生風の雰囲気を出しつつクラスの問題を全部主人公に丸投げして、自らはひたすら小麦を摂取しているちゃっかり者の小森先生はなかなかいいキャラだった。でも、この物語だと先生はどうしたって裏方だからねえ。

「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 8」佐伯さん(GA文庫)

「……今日は、帰らなくても、いいですか……?」
文化祭の喧騒も過ぎ去り、日常が戻ってくる。周は真昼への思いを改めて言葉にして伝え、ともに将来を誓いあった。さらにそれをかたちにしたものをプレゼントしたい周は、慣れないアルバイトを始めることにする。
一方、周の帰りを待つことになった真昼も、寂しさを抱えながらも、周への気持ちを伝えるべく密かに行動するのだった……。
これは、甘くて焦れったい、恋の物語――。


周くん、給料三ヵ月分のアレを買うためにバイト始めました。な8巻。
でもその前に、真昼の大胆発言のその後と、文化祭に合わせて休みを取って来ている周の両親とのあれこれから。
付き合い始めた後も「甘くて焦れったい」を色々な形で表現してきたけれど、ついに来るところまで来たな、という感じ。もうこの二人なら最後の一線を越えている越えていないはあまり関係ない気はするが。それにしても、どこまで行っても攻める真昼さん、ヘタレる周くんの構図は変わらないのね(苦笑)
両親との交流は、両親が二人に気を使ってホテル宿泊だったので思ったよりは薄め。主に母上の弄りがw メインイベントはお買い物女子会だったんだが、、、周が主人公の物語なので仕方がないのだけど、志保子と千歳の絡みは読みたかった。
さて本題のバイトは、
特にこれといったイベント無し。まあ、そうそう波風立つようなことは起きないよね。
それより夜一人で待たされることになった真昼の変化の方が、今回の本題だった。
周の帰りを小走りで玄関まで駆け寄り出迎える真昼の圧倒的新妻感、良き。その新妻感が感じられる191ページの挿絵が今回断トツのベストショット。それに不慣れでバレバレなサプライズね。隠し事がド下手くそなその素直さが可愛い。真昼さんはこんなんでも可愛いからズルい。
それはそうと、二人とも自分の愛が重いことを自覚してるんだなって。もうそのまま重い同士で手を取り合ってずぶずぶと沈んでいってください。沈む沼はチョコレートか何かで出来ていそうだ。
今回も供給過多な甘味で大変美味しゅうございました。
次回は真昼の誕生日かな。本来の目的とは違うけど、早速バイト代が役に立ちそう。あとは次にあるかは分からないけれど、バイト先訪問も楽しみ。

「不可逆怪異をあなたと 床辻奇譚」古宮九時(電撃文庫)

大量の血だけを残して全校生徒が消失した『血汐事件』。その日遅刻して偶然にも難を逃れた青己蒼汰は、血の海となった教室で、彼にとっての唯一の肉親である妹・花乃の生首を発見する。だが、花乃は首だけの状態でなお生きていた。
花乃の身体はどこに隠されたのか。
この凄惨な事件は何故起きたのか。
借り受けた呪刀を携えて床辻市内のオカルトを追っていた蒼汰の前に、謎の少女・一妃が現れた。彼女は街の怪異から人々を匿う『迷い家』の主人だという。
そして少女は告げる。私が君の運命を変えてあげる、と。
――踏み出したら戻れない、怪異狩りの闘争がここに始まる。


彼方と此方が近くなってしまった日本。その中でも特に怪異現象が起きやすい床辻市。怪異が絡む事件に巻き込まれ、首だけになってしまった妹の身体を探す為、悪意ある怪異と立ち向かう兄の奮闘を描く物語。

コメディ要素のない怖めのオカルトでアクションをするラノベは一昔前ならいっぱいあったけど、最近はめっきり少なくなってしまったので、懐かしさを感じながら読んだ。
中でも主人公・蒼汰の無謀さと図太さに手に汗握りながら読むことになる、ギリギリの緊張感とスタイリッシュさを兼ね備えたアクションが秀逸。但し、冒頭の事件を筆頭に事件が起こるたびに血生臭くなるのが、血が苦手な自分としては大きなマイナス点。
なんて、可もあり不可もありで総じてそこそこ面白い、くらいのテンションで読んでいたら、最後のどんでん返しの連続でそこそこなんて感想は吹っ飛んでしまった。
ヒロインの一妃が初めから好感度マックスで全肯定なのがどうにも座りが悪くて好きになれない。なんて思っていたら、それ自体が伏線だったとは。なんて残酷な運命を用意しているんだ。やっぱ『Unnamed Memory』の作者だわ。作品のメインコンビに厳しいw その後の蒼汰が出す答えがさらに衝撃。色々な意味で「それでいいのか」と問いたい。
途中までは懐かしさを、最後は大きな驚きを。楽しい読書時間だった。