いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「怠惰、こんなに素晴らしい罪はない」

夕飯時「日本人テスト」を視聴していたのでございます。
視聴したことのある方ならお分かりかと思いますが、その番組には「お婆ちゃんの知恵袋」なる名前に偽りのあるコーナーが存在するのです。毎週毎週「それはおばちゃんの知恵じゃないだろ」とか「そんなことしなくても」とか「そんなん誰でも知ってるだろボケ」とツッコミ入れたくなる内容ばかりの酷いコーナーなのでございますが、今週の内容には目を覆うばかりでした。


本日の内容↓
牛乳パックでおにぎり:そんなの三角の海苔巻きじゃねーか。日本人なめんな!(`Д´)
白菜で灰汁取り:白菜で取れるようなしっかりした灰汁ならおたまで取ったほうが良い。面倒なら100円ショップで灰汁取りシート買ってこい。
温泉タマゴ:めんどくせー。生卵をお椀にあけてレンジで50秒〜1分のほうが手っ取り早い。


あのコーナーさえなければ良い番組だと思うのですが・・・

ナインの契約書―Public Enemy Number91 (MF文庫J)

「ナインの契約書 -Public Enemy Number91-」二階堂紘嗣(MF文庫J
ナインの契約書―Public Enemy Number91 (MF文庫J)

『九(いちじく)探偵事務所』。街中のボロビルに看板を掲げた一室に寛ぐのは、銀髪の美少女「九」と黒ずくめの男「一(にのまえ)」。ふたりは、一つだけ願いを叶える「契約」によって魂を狩る、悪魔だ。九と一は今日も錆びたドアを叩く“人間”を待っている。人々の業と狂気を待ち望んでいる……。「なーんてね。オレたち、人間の所業に興味津々な、諧謔を理解する、とてもいい悪魔だよね、九」「うるさい。お前はカラスだ、一。バカなカラス。バカラス。てかお前もう喋んな。喋んなきゃ死ぬのか。じゃあ死ね」「ひどい!」常世は真昼の夢であり、終わらない夜である――新進気鋭が堂々放つ、鮮烈な現代奇譚!


あとがきに気になる一文が。

彼らがメインキャラでありながら、彼らと出会った人々が主役(語り手)という、ライトノベル的には、やや変則的な作品だそうです。

変則的か? こういうタイプのライトノベルはいくらでもあるんだけど。主に電撃に(しにバラとかシゴフミとかラキアとか)。どちらかというと人や社会の歪みに対してアンチテーゼを投げかける作品の方がライトノベルとしては珍しいような。


要するにそういう形式の作品。


メイン二人は良かった。二人の会話と一(にのまえ)の薀蓄は面白いし、九(いちじく)のキャラに似合わない優しさに萌える。
ただ内容そのものは「病んでるなー」くらいしか感想が出てこない。
一言で言えば中途半端。
ライトノベルとしては内容が重いが、人や社会の歪みに対して問題定義するには内容が軽い。また、どの話も微妙なハッピー(バッド)エンドばかりでどうもスッキリしない。それに人の歪みの原因が家庭の問題一辺倒だったためか、どれも似たような話になってしまっているような。
実はどれも九を可愛く見せるための演出だったのではあるまいか? 実際最後の一言+挿絵は最高ですよ、ええ。
最後にはいいもの見せてもらったけど、終わりよければ全て良しって感じにはなれないなぁ。