いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ごくペン!」三原みつき(MF文庫J)

ごくペン! (MF文庫J)
ごくペン! (MF文庫J)

偏差値70オーバーのぼくこと五十嵐真太郎がバカの殿堂として名を馳せる毒マムシ学園に転校したのには重大な理由がある! 一緒に東大に入ろうと約束した幼馴染みの権田原凜子がこの学園に通っているという噂を聞いたからだ! 想像以上に古風で脳天気なヤンキーの吹きだまりだが、ツッコミどころ満載のおかしな彼らに思わずツッコミを入れまくっているうちに、ぼくはヤンキーたちから崇められるようになってしまった。そして再会した凜子は――なぜか私設極道の女親分になっているぅ!? 明朗にして軽快に魅せる第5回新人賞審査員特別賞受賞作!! お披露目にござんす!!


なんとも不思議な作品。
パーツは荒唐無稽なのにストーリーは何故か上手いことまとまっている。
初めから上手く行き過ぎている主人公の境遇や、終盤の展開のあまりの滅茶苦茶さなど普通なら「それはない」と思うところも、なんとなく許せてしまう雰囲気と勢いがある。また、おバカで弱いが憎めないヤクザたちの温かい雰囲気や後半の主人公の言葉など、学園でヤクザ&ヤンキーという設定とは思えないハートフルな物語で読後感もいい。
あとは特に良いと思ったのは女性陣の可愛らしさ。主人公への好意の示し方など、それぞれのキャラの可愛い部分の出し方が上手い。個人的には鈴音が好みかな。サバサバした性格とほんのちょっとだけみえる女の子の部分が良いですな。
設定は考えものだがストーリーもキャラもよく面白かった。
これはこれで綺麗にまとまっているので、この続きよりは次回作に期待したい。


ところで著者プロフィールは本物か?
小ネタに時々20台前半とは思えないネタが混ざってるんだけどw