いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「狼と香辛料 XVII Epilogue」支倉凍砂(電撃文庫)

狼と香辛料〈17〉Epilogue (電撃文庫)
狼と香辛料 17 (電撃文庫 は 8-17)

『太陽の金貨』事件から数年。元羊飼いのノーラと女商人エーブは、ホロからの手紙を手に、北へと向かっていた。旅の途中、錬金術師ディアナも同じ馬車に乗り込んできて──。
果たしてホロとロレンスは、幸せであり続ける物語を紡ぐことが出来たのか? 第16巻の後日譚を描く書き下ろし中編「Epilogue」のほか、電撃文庫MAGAZINEに掲載された短編3編も収録。
第12回電撃小説大賞<銀賞>を受賞するや、剣も魔法も登場しないファンタジーとして多くの読者に愛された賢狼と行商人の旅の物語が、今巻でついに完結! 二人の旅の結末を、ぜひその目で見届けて下さい。

エピローグ+未収録の短編3編。
回想を踏まえつつの過去のメインキャラ総出演の最終巻らしい最終巻。



新婚さんいらっしゃい!を観て惚気話を聞かされているような気分でしたよ、ええ(あの番組見たことないので勝手なイメージ)
シリーズ後半から半分は惚気話みたいなものだったし、二人も元々新婚っぽい空気を醸し出していたけど、本物の新婚さんの惚気話は一味違った。いつもの喧嘩も甘さが増量されてるような気がするし、式に誰を呼ぶかで悩んでたり、最後はのアレは新婚じゃないとシチュエーションだもの。
そんな単純にニヤニヤ出来るものを差し引いても、二人が何の憂いもなく未来の話をしているのだけで、どうしようもなく嬉しい。先にあったのが別れの時は意識してしてなかった会話だからねぇ。
短編も軽く甘く(2話目は激甘かw)で、終始ニヤニヤで満足の最終巻だったのだけど、欲を言えば終幕前の幕間がもうちょっと長ければ良かったかな。ノーラ、エーブ、ディアナの姦し会話が予想外(特にエーブが)で楽しかったので、5人になった後の会話も読みたかった。二人ぶんの回想も欲しかったし。
なにはともあれ束の間じゃない幸せを掴んだ二人の姿を確かめられて、読んでいるこっちも幸せな気分になれた。これは「お幸せに!」としか言いようがないでしょう。