いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「伝説なんて、仮面を外せばそんなものですよ」

午前は洟が大洪水、午後は目が、目がぁ〜なムスカ状態。



幸腹グラフィティ ななしなめ『ジュー、プシーッ。』
秋刀魚オンリー。
安定の飯画力で美味しそう。でも箸で食えよ。手が油でぎっとぎとになるだろ。
ゆっくりしててと言われても手を出さずにはいられない町子さんの気持ちがよーくわかる。きりんみたいなできない子相手だと特にね。

「我がヒーローのための絶対悪」大泉貴(ガガガ文庫)

我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス) (ガガガ文庫)
我がヒーローのための絶対悪 (ガガガ文庫)

街の平和を守るため、ヒーローに変身し日夜戦う少女・ミア。そんな彼女を見守る幼馴染の少年・武尊。平凡な高校生である彼には秘密があった――。 それは、彼こそがミアの倒すべき悪の組織の総帥なのである。武尊が悪に身を落とす理由。それは正義の味方として悪と戦うことを宿命づけられてしまったミアのために、敵として立ちはだかり続けることだった。悪の首領とヒーローの関係は二人をどんな運命へと導くのか。最愛の者を守るため、最愛の者と戦い続ける、正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスクロマンここに誕生!

普通の人間の中に怪人に変身できる人間が混じっている世界で、怪人を狩る正義の味方の超人と怪人たちの組織の抗争を描いく、悪の総帥=主人公vsヒーロー=幼馴染みヒロインな物語。


うおっ、どシリアスか!
どちらかと言えばコメディにありがちなあらすじだったので、気楽な気持ちで読み始めたら面食らった。
それと、作者の過去作がアクションものの「ランジーン×コード」よりも、青春でコメディ寄りの「アニソンの神様」の方が面白かったので、コメディの方が良いなという思いもあった。
そんな願望があったからなのか、中盤過ぎまでは少々退屈だった。
地の文が真面目すぎて遊びが少なく、怪人なのに現実にありそうな程度の事件しか起こさず、さらに主人公の武尊が本心を隠し感情を押し殺しているのが災いして、平坦で淡泊な印象を受ける。
それが、一つの事件で突然化ける。
主要人物だと思っていたキャラクターが容赦なく殺されたのをきっかけに、武尊が本心を曝け出し、ヒロインのミアの感情がかき乱されて、話が一気に動きだし一気に面白くなる。
それまで町中で起こしていた事件はなんだったのかと思わせる激しいアクションと、お互いを想うが故に交わらない幼馴染み同士の願いがぶつかる、熱さと切なさが同居する戦闘シーンは圧巻。
ダークヒーローの物語としても、青春の物語としてもとても面白かった。続刊期待。



ミアが「タケちゃん」を連呼するものだから脳内CV浅野真澄になってしまったんですがw