いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「さっさと行って、決めてきなさい!」

雨は並だけど風がすっごいですね((((;゜д゜)))ガクガクブルブル





セイレン 第7話「ブラコン」
眼帯さん何者? 常木編にあんな上級者いたっけ?
ブラコンなんてタイトルだからどんな兄弟が出てくるのかと思ったら、グラサン竹刀塾講師さんではないですか。ん?あの人は田中さん(浪人生)の親族じゃなかった?
宮前編はフェチ力が足りないのが残念だけど、常木編より真面目に恋愛してる感はある。でもこのペースで次で終わりだと、いいとこなかよしエンドじゃないか?

「りゅうおうのおしごと!5」白鳥士郎

りゅうおうのおしごと! 5 (GA文庫)
りゅうおうのおしごと! 5 (GA文庫)

「アーロハ―♪」
遂に始まった八一の初防衛戦。挑戦者として現れた最強の名人と戦うべく常夏の島を訪れた八一だったが……なぜか弟子や師匠までついて来てる!? 一門(かぞく)旅行!?
おまけに銀子と夜の街でデート!?
そんなんで名人に勝てるのか!?
あいと天衣、そして桂香のマイナビ本戦も始まり、戦いに次ぐ戦いの日々。誰もが傷つき、疲れ果て、将棋で繋がった絆は将棋のせいでバラバラになりかける。……だが、「もう離さない。二度と」
一番大切なものに気づいた時、傷ついた竜は再び飛翔する――!!
将棋という名の奇跡に最後の審判が下される、激闘の第5巻!

七番勝負の竜王戦。ついに主人公の出番がやってきた第5巻。
勝敗の流れは予想通り、いや逆に驚くほど何の捻りもなかった。一旦打ちのめされて、どん底から這い上がっていく主人公という、少年マンガでもスポ根小説でも王道中の王道。復活の過程も、清滝一門の家族愛を前面に押し出した書き方でこちらも王道だ。
「それでも」なのか「だからこそ」なのか、八一の復活劇に説得力があった。熱があった。王道とは作家がありったけの情熱を注いで初めてベタではなく王道となるのだと改めて思わされる圧力があった。
容赦のない突き落とし方からすでに傑作の予感を感じさせてくれたが、やっぱり本番は復活劇。
復調の段階で心に残るったのは、浮上のきっかけになった桂香さんの将棋。不器用で、でもこれ以上なく力強いメッセージだった。最も熱くなるのはもちろん八一の対局だけど、涙腺を最も刺激してくるのはいつも桂香さんだ。俺はこの人に何回泣かされればいいだろう。
そして迎えた勝負の一戦、第四局。
熱かった。ちょっと他に形容する言葉が思い浮かばない。作中でも頻繁に出てくる「熱い」のというつぶやきは、これ以上の言葉がないから使われているのだろう。今回、初めの敗戦からこの局の勝利までずっと、絵的に八一が格好いいところなんて一度もない。むしろみっともないとか惨めとか、そういう言葉の方が似合う様な有様だ。それでもこの勝負での八一の勝ちにこだわる姿は、どうしようもなく胸を熱くしてくれるものがあって、格好良いヒーロー像そのものだった。
そんな激熱の勝負の世界を真剣に描く物語でも、ライトノベルであることを忘れないのが白鳥先生のらしさで凄さ。まあ、お得意の特大フォント芸は4ページだと切れちゃって微妙だったけどw
銀子はすっかり「かわいい」担当だね。夜のハワイデートもニヤニヤ度激高だったけど、あとがき後のエピローグで語られた本音の破壊力が凄い。ハートマークの猫なで声一辺倒のあいちゃんでは勝ち目はなさそう……ラブコメのヒロインとしては。ただ外野が強すぎるのがね。ガンバレ銀子!
あと印象的なのは観戦記者のあの方。開始早々女子大生だと明かされて性別にも年齢にも驚いていたら、最後の最後にもう一段階のサプライズが。……って、あれ? 銀子さん、この人に本心バラしちゃって大丈夫なの?
完全に最終回の熱量、出し切りました言わんばかりのエピローグで終わりの文字が頭を過ったが、あとがきの次の巻の文字に安堵。当初の予定がここまでだったのか。正直なところ、将棋ラノベなんて売れそうにないもんな(^^;
八一のタイトル戦が落ち着いて次はあい&天衣の話になるのかな? そろそろ銀子の勝負師の顔も見てみたい。