いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (13)」渡航(ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (13) (ガガガ文庫 わ 3-23)

暦は雪解けの季節を迎えるが、新しい希望の芽吹きはまだ遠く感じられる3月。
それぞれの想いを言葉にし、行動しようとする雪乃、結衣、八幡。そして、それは今のままの関係でいることを終わらせることでもあって――。雪ノ下雪乃は、最後まで見届けて欲しいと願った。由比ヶ浜結衣は、このままずっと一緒にいられたらと祈った。美しい夕日に時が止まればと願っても、落日を迎えなければ新しい日はやってこない。前に進むために諦めること、終止符を打つこと。悩むまもなく、巻き戻すことも出来ず、エンドロールは流れ始める……。

プロム実現に向け、また対決という形をとった二人。雪乃は自分のために、八幡は雪乃のために――明確な答えが出ないまま足掻き続ける13巻。
ヒッキーがままのんに認識されて、しかもちょっと気に入られたっぽい。これは最大最強の障害がなくなったと思っていいな。よし!
……以上、ゆきのん派の精一杯の強がりでした。だってこれくらいしかポジティブになれる要素ないんだもの。
主人公に付き添ういじらしい姿に、interludeで語られる一途な想い、どう考えてもヒロインしてるのは結衣。この巻を読んで幸せになってほしいと思うのは間違いなく結衣の方。
それに対して八幡と雪乃は、前回言われた「共依存」という言葉を引きずり、まだ答えがないのに理想ばかりを追いかけるという不毛な意地の張り合いをしている始末。まあ、これが彼らなりの語らい方なのはわかっているつもりだが……。そもそも、なぜここまで「終わらせる」ことに拘るのか、そこが理解ができないから、不毛としか映らないんだよな。いつになったら結衣と同じ土俵に上がってくれるのか……ってもう次最終巻じゃん。もうないじゃん。
結衣はもちろん、一色や葉山も一言物申したそうだったけど、恐らく彼らが思っているより二人は子供だと思う。それも恐ろしく聞き分けのいい。子供なら子供らしくわがままであったなら、こんなに拗れてはいないのに。
そんなわけで、相変らずもどかしさだけが募りに募っていく話だった。もうラス前なのに。でも、地の文の面白さはいつも通りでしたよ(とってつけたようなフォロー
次回最終巻。八幡は答えを見つけ出せるのか。雪乃と結衣の願いは叶うのか。二人の願い、たぶん言葉は一緒。でも中身はまるで違いそう。