いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



神様が用意してくれた場所 3 いつかの少年 (GA文庫)

「神様が用意してくれた場所3 いつかの少年」矢崎存美GA文庫
神様が用意してくれた場所 3 いつかの少年 (GA文庫 や 1-3)

「あたしは、ちょっと知りたかっただけなんです。学校でどんなふうに友だちとつきあっているかとか、いじめられてはいないか、とか──先生とはうまくやっているかとか。親だったら気になることでしょ?」
香絵の探偵事務所に息子の素行調査を依頼してきた母親はそう言った。しかし、彼女の言う?息子?は四年も前にすでに死亡しているのだ。
そのことを納得しているのにもかかわらず、なぜか母親は「息子の学校生活」にこだわった依頼をしてくるのであったが……。
なぜ、学校生活にこだわるのか?学校に何かがあるのか!? 香絵のちょっと不思議な事件簿第三弾登場!

3巻のテーマは「家族」。2組の家族が不思議な存在の少年をきっかけに絆を取り戻していく。
確かに不思議設定と挿絵はあるけど、こういう人生の機微を味わう作品は“ライト”ノベルではないような。


やっぱりこの作品の雰囲気はいいなぁ。心が落ち着く。Fuzzyさんの柔らかくて淡い色使いの絵も作品の雰囲気にピッタリ。
ただ独特の落ち着いた空気はそのままだけど、初めて表立って人死が関わっているからか内容が若干重め(過去二巻も軽い内容ではなかったけど)。
そんな中で今回は男性の描写が素晴らしい。二人の少年のそれぞれの優しさと、その二人の父達の痛々しい姿は、どれも胸を打つ。そんな状態でエピローグ前ののあのシーンを読まされたら、そりゃ泣くよ。
とても切ないけど少し心が温かくなる、そんないい話だった。


予想外に早く3巻が出てくれて嬉しい限り。次ものんびり待ちますか。