「青春の日々は短いんだよ。どれだけ短いかというと、文庫本で２ページぐらいだね」
明神高校２年生の篠原守は野球バカの優等生。今日も今日とて、仲間たちと一緒に青春の汗を流しながら栄光の甲子園を目指す……ということはなく、お嬢様マネージャー・深見月夜にイタズラされ、全然野球をしらない顧問の涼子先生をからかったり、突然、妹の篠原杏が選手として入部してきたり、エース投手の綾坂真琴が、実は女の子だったり(!?)と、あまり野球ができない日々を過ごしているのだった……。
第７回新人賞【審査員特別賞】受賞、史上初(!?)の２ページ青春ショート！ 全９５話収録!!
ゆる〜い野球部の日常を１話２ページ（なんとＧＪ部の半分）で描くショートショート。テンポがよく読みやすいキャラクター小説。
１話２ページということで、薄味になったり一本調子になったりを心配したけど、そんなことはなく普通に面白かった。
キャラ付けキャラ配置が分かりやすく、説明も上手い。なので新しいキャラを出した次の話で早々にキャラ弄りが始まってもすんなり受け入れられる。
その濃いキャラばかりの中でお気に入りのキャラは投手・綾坂。
基本的にはゆったりまったりな話ばかりなのだけど、後半彼女の正体がバレてから萌え度が急上昇。なんだこのかわいい生き物。今後の深見さんとの三角関係に期待せざるを得ない。
もう一つ忘れちゃいけないのがパワプロ愛。作中には何度も出てくるし（実名ではないが）人物紹介もパワプロ風と、既プレイの人は読んでいるとパワプロをやりたくなってくること請け合い。
欲を言えばもっと濃い野球ネタ、高校野球ネタがあるともっと楽しめるのだけど、そうすると読む人を選ぶ作品になってしまうか。
２巻が出ることが決まっているようなので次も楽しみ。
