いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「オカルトリック」大間九郎(このライトノベルがすごい!文庫)

オカルトリック (このライトノベルがすごい! 文庫)
オカルトリック (このライトノベルがすごい! 文庫)

狐憑きの少年・玉藻と、超絶美女でヒッキーな探偵・ねえさんの、奇妙でふざけた、そして真摯なオカルト事件簿。女子寮のパンツ発火事件、物の怪憑き、女子高生の太ももに記された謎の記号……次々と起こるオカルト事件を、イレギュラーコンビな二人がどのようにして解決していくのか!?
第1回『このライトノベルがすごい!』大賞栗山千明賞受賞の衝撃作!『ファンダ・メンダ・マウス』の大間九郎の新シリーズ、ここに開幕!! ってか、オカルト×ミステリー=テーマは「人間の幸福」って、どんな物語だよ!

ギャグと狂気が入り混じるオカルトミステリアクション。



狂ってやがる(誉め言葉……多分w
妙な丁寧語の一人称だけど案外普通?と思いながら読み始めたのだが、普通っぽかったのはほんの数ページだけ、そこから先はジェットコースターのようだった。
おバカな会話をしていたと思ったら次のシーンでは憎悪が渦巻いてたり、美女とショタがイチャイチャしていたと思えば、いきなりどシリアスに振られたりと息つく暇がない混沌とした展開。
と、この時点ですでにカオスなのに、それ以上にキャラがぶっ飛んでいる。
誠実そうな第一印象とは裏腹にやっていることは鬼畜で無駄にエロい主人公・玉藻と、ショタコン+ヒッキー+度を越した我儘と三拍子揃ったねえさんのダメダメ探偵コンビに、プラス恋のいかれぽんち娘イソラ。
三者三様に性格破綻者なのだが、玉藻が狂おしいほどの正義感を発揮したり、ダメねえさんが解決編だけ格好よくなったりとギャップが凄くて、その緩急にやられてしまう。そして、うざ可愛いだけかと思っていたイソラまでも……。((((;゜д゜)))ガクガクブルブル
とにかくインパクトのある作品だった。サイコっぽいものが好きな人の方が合いそう。



でも、個人的にはこれよりは『ファンダ・メンダ・マウス』の方が好みなのよね。美月さんカムバック!