いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「暗号少女が解読できない」神保静波(スーパーダッシュ文庫)

暗号少女が解読できない (スーパーダッシュ文庫)
暗号少女が解読できない (集英社スーパーダッシュ文庫 し 8-1)

転校早々、自己紹介で大失敗をし、クラスで孤立してしまった少年・西村。孤独と戦う彼に唯一話しかけてくれた美少女・沢渡遙かから突然の告白と共に渡された手紙。そこに書かれていたのは愛の言葉……ではなく、なんと暗号文! 男子生徒憧れの存在・沢渡さんは暗号に情熱を傾けるちょっと(?)不思議な女の子だったのだ! 沢渡さんの難問奇問は西村とその妹や幼なじみまで巻き込み、必要以上にスリリングな学園生活が幕をあける――
沢渡さんの手に掛かればパンツだって暗号になる!? そして西村は謎だらけの暗号少女の心を解くことができるのか!?


オーソドックスなストーリー上で栄える変わったヒロインと暗号問題。暗号解きというライトノベルとは相性が悪そうな題材を読みやすく面白いものに仕上げた完成度の高い作品。納得の大賞。


このヒロインいいな。久々のクリーンヒット。
服装の注意も暗号なら自分の想いも暗号と、傍から見ると回りくどくて面倒くさいことこの上ない女の子なのに、それを許せてしまう不思議な魅力がある。
基本的には知的で落ち着いているのに時々突拍子もない行動にでる(パンツとかパンツとか)とか、デレは分かりづらいのにヤキモチはしっかりするなど特徴は色々あるけど、冷静を装いながらも主人公と一緒にいるのが楽しくてしょうがないのが隠しきれていないのが最大の魅力。彼女のその雰囲気だけで読んでいるこっちが楽しくなる。
もう一つの特徴である暗号は、少し考えれば解るものばかり。じっくり考えなくても答えは出るし、別に解かなくてもすぐ先に答えがあるので読む妨げにはならない。その軽く楽しめるさじ加減が非常に上手い。
ストーリーは前述のとおりかなりベタだが、その分安心して読めるし、ラブコメならではの甘酸っぱさと「女心が一番の難問」というタイトル通りの命題が合わさったラストシーンが秀逸(加えて挿絵も完璧だった)で読後感も申し分なし。
続き出るかな。ぎこちなく名前で呼び合う二人と、暗号部設立奮闘記を読んでみたい。




あとがきの暗号↓ 解くのがめんどい人向け。
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DちゃんとV君てw その時点で物はバレバレじゃん。5ページ目が曲者。空白って2行空いてんのね。