やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)
文化祭。面倒な仕事をスルーする方法は……呼ばれても返事をしない、面倒くさそうな気持ちを顔に出す!? ぼっちのスキルをフル活用して文化祭の準備から逃げる気満々の八幡。しかし、HRをサボっている間に、文化祭の実行委員にさせられてしまう。新学期が始まってからの八幡は、どこか調子がおかしい。クラスでも、部活でも……。雪乃への疑問は消えないまま、そしてそれを問わないまま……前に進まず、後戻りも出来ない二人、雪ノ下雪乃と比企谷八幡。決して近づかない不変の距離感に変化は訪れるのか。好評シリーズ第6弾。
八幡、お前ってやつは……。
夏休みのあれやこれやを引き摺り部活内の空気がギクシャクしたまま突入した文化祭準備。実行委員を押し付けられた八幡が向かった委員会でも、一部の人間が仕事を押し付け一部の人間だけが激務という社会の縮図のような理不尽な風潮が蔓延する。
そんなイライラはするわ胃も痛くなるような重苦しい空気を打ち破ってくれたのが我らが八幡。
溜まった鬱憤とサボってた連中をズタズタに切り裂く切れ味鋭い口撃がとっても清々しい。言いたいことを2,3割の毒をプラスして言ってくれるのが八幡クオリティ。
でも、振り返って見ると八幡もズタボロになってるという……。あれだね、勇者・比企谷は攻撃力が高めで防御力が低く、呪いで外せない諸刃の剣を装備してるね。無駄にぼっちレベルが高いからHPが多いのは良いことなのか悪いことなのか。
特に二回目が。一回目は対象が主に雪乃だったから分からんでもないけど、二回目は傷付く必要なんてない相手だったのに。この不器用さが八幡の八幡たる所以なんだろうけど、無駄に傷付くのは……と思ったら静ちゃんに言われちゃった。やっぱりいい女だ。貰い手がいない理由がわからん。
と、主人公が目立つある意味“まちがっていない”話だったけど、もう一つ忘れちゃいけないのが雪乃の軟化。というか雪乃さん基準ではあれはデレですね。彼女の性格上あれ以上は無いでしょ。エピローグも良かったけど、スローガン会議後の“手”に萌えた。
そんなわけで外の敵を増やしつつ部内の関係改善は出来て一段落。次は何が起こる?