楓はとにかく大人しく生きていきたい普通の高校生。女子は苦手だ。だがある日、妙なきっかけが元でクラスメイトの木蓮と特別な仲になった。この一風変わった学校一の美少女は、完全無欠に見えて実はド天然、喋り方もなんだかサムライみたいだ。交わらないはずの二人が共通の秘密を持ったとき、楓の日常が前に動き出した――。「もっと、本当のことが言いたい」植物系男子とまっすぐ女子の青春ラブ(?)コメディ、開幕!
どストレートでどストライク。
ある理由から女子が苦手で目立つのも嫌いな普通だがややヘタレ度の高い主人公・山科楓と、曲がったことが大嫌いで口調は固くて空気は読めない面倒くさいヒロイン・田中木蓮のやり取りがメインのちょっとの不思議要素も皆無な奇をてらわない“真っ直ぐ”な青春小説。
で、何がストライクかというとヒロインの木蓮。
前述のとおりどう考えても面倒くさい性格なんだけど、状況で態度を変えたりしない裏表がないということもよーく分かるので、可愛らしい所作が天然であることも、主人公のみが特別な存在であることも十二分に伝わってくる。
また、青春小説を読むには大事な要素である主人公も合った。
性格が似ているとは全く思わないのに、楓考えていること思っていることは不思議と素直に理解できたので共感しやすかった。
コメディ要素が少なくあらすじに偽りありだが、ヒロインの可愛らしさと青春らしいこそばゆい恥ずかしさが良くて楽しく読めた。
続刊決定済み? 予告通りなら、今回は主人公が自分を見つめたり勇気を出したりするきっかけにすぎなかった彩香や、新キャラも加わって今度こそラブコメらしくなるのかな。