いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「吼える魔竜の捕喰作法5」内堀優一(HJ文庫)

吼える魔竜の捕喰作法5 (HJ文庫)
吼える魔竜の捕喰作法5 (HJ文庫)

竜伐騎士フューゴに深手を負わされ、王立魔法騎士団に捕縛されてしまったタクト。その姿を目撃したシェッセもまた、重要参考人として騎士団の手により幽閉されてしまう。なす術の無い状況下、それでも諦めず抗い続けるシェッセにもたらされた、三千年前の真実とは? 一方、王都では世界を滅ぼしかねない《終焉の竜》を巡る複数の謀略が動き出していた!


シリーズ開始当初は、広げた風呂敷が大きすぎて完全な収束は無理だろうと思ってました。それがこんなに綺麗にまとまって終わるとは。嬉しいと同時にごめんなさいな気分。
そんなわけで最終巻。
神話として語られてきたタクトとシェッセの前世と、竜神信仰の真の狙いと黒幕の正体、騎士団・ウィリーの思惑が、パズルがはまっていくかのように綺麗に収まりながら進んでいくストーリーに感心しきり。
中でも目立ったのがウィリー。
シェッセが逃げ出したり味方が集まったりして反撃か!?と思わせたところを叩いてくる嫌らしい悪役ぶりで焦らし上手な展開になっていたり、自分の信念を貫き通した壮絶な最期で真打登場前に一度盛り上げたりと、敵ながらあっぱれの活躍。
そして満を持しての真打登場……って、ここに甘味が混ぜてくるのか!? シェッセらしくて良いけど……タクト爆h 最後の竜退治をきっちり盛り上げてくれたので許そう。倒した竜の肉が食えなかったのが残念だったけどw
と、そこまでは良かったのだけど、その後どうしても納得がいかないことが。
フューゴとかいう竜伐騎士は本当に必要だった? 
竜討伐後になんで特に過去の繋がりも因縁もないあんなのと戦わなきゃならなかったのか。場違い感と異物感が凄まじい。あれが無ければエピローグの尺もっと取れただろうに。エピローグがあっさり過ぎるよ。
予想外に綺麗に終わって概ね満足だったのに、最後が意図が分からなくてモヤモヤした気分で終わってしまった。