いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ひきこもりの彼女は神なのです。8」すえばしけん(HJ文庫)

ひきこもりの彼女は神なのです。8 (HJ文庫)
ひきこもりの彼女は神なのです。8 (HJ文庫)

唯一神御子神てとらの弱体化によって、街では悪神・氷室結に扇動された人外たちの騒乱が頻発。「天秤の会」が総出で対応を強いられる中、新たな神となった天人は亜夜花とともに戦う意志を強めていく。一方、寮を出た梨玖はてとらに頼まれた"役目"を果たすべく行動していたが……!? 人と「人ならざるもの」の命運をかけた戦い、怒濤のクライマックス!!


巨大で徹底的に悪なラスボス、過去に助けた人たちが続々終結する展開と申し分なく盛り上がった最終巻。
まあ、人が集まった分、天秤の会のメンバーが空気になっていたけれども。せめてコウタはもう少し濃く扱って欲しかったかな。
ストーリーは、色々なものが複雑に絡まりながらもきちんと決着していく本当に綺麗に終わり方。天人の目標も亜夜花の想いも、ラスボス・氷室結の思惑も一つに集約していく展開が気持ちいい。特に生まれたばかりの神に必要なのは信者の前に語り部、という梨玖の処遇や、引きこもり神が引きこもりを止めるという終わり方など、話の作り方の上手さに感動すら覚える。
ただ、ちょっと残念なのはエピローグがやけにあっさりだったことか。いつもエピローグを1と2に分けたりするのに最後に限ってなかったのは何故だろう。てとらさんの思惑という点では納得だったのだが、これは天人と亜夜花の話では? まあ要するにスッキリしてからもっとイチャイチャしてくれよ!と言いたいw
でもまあ、なにはともあれあの亜夜花が幸せそうで何より。辛いこと、というか嫌なことが多かったシリーズなので彼女の笑顔に喜びも一入です。