いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ココロコネクト アスランダム 下」庵田定夏(ファミ通文庫)

ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)
ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)

目を覚ました時、太一は一人でグラウンドにいた。人気もなく薄暗い校舎に怯えながら仲間を探す内に、ようやく伊織と合流する太一。そして二人は気づいてしまう。外に出ることが出来ない『孤立空間』、そこで出会ったすべての人に、現象が起きていると……。百人を超える生徒を積極的に取りまとめる生徒会長の香取、強制終了を避けるために動く文研部員。だが現象が長引くにつれ、そこには不穏な空気が漂い始めていた――。愛と青春の五角形コメディ、完結。


終わり方は悪くなかったが、正直微妙だ。
最後にして文研部はどうしてしまったの?
今までの経験がまるで生かされていない以前に、今まで出来ていたことすら出来てないじゃないか。与えられたルールの中での最善策を稲葉を中心に考える、でも不思議現象に翻弄される。がいつもの流れなのに、今回は100%失敗すると分かりきった方法で推し進めて、当然のように失敗していた。猪突猛進タイプの太一だけならともかく、こんな方法は速攻かつ頭ごなしに潰しに掛かかるはずの稲葉はどうした? 
鬱展開になるのはいつものことでも入り方がおかしいから、ヤキモキよりもキャラクターがイメージ通り行動しない違和感で気持ち悪さが勝った。
それでも後半になると、唯の友達・雪菜の演説やウルトラレディ藤島さんの活躍など、青臭くて感動出来るシーンはちらほらでてくるのだけど、、、文研部じゃないじゃん。
肝心の文研部員が裏方でほんのちょっと活躍したのみで、全体的に見ると収支はマイナス。稲葉と青木は全編を通して空気。青臭い台詞も特になし。最終話でこれは……。
記憶の断片を探っていく七章とハッピーエンドな終章は良かったけど、その前が納得が行かな過ぎた。「どうした文研部?」の一言に尽きる。
この鬱憤は後日談短編集のイチャコメで払拭してくれることを願う。