いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「はたらく魔王さま!11」和ヶ原聡司(電撃文庫)

はたらく魔王さま! (11) (電撃文庫)
はたらく魔王さま! (11) (電撃文庫)

魔王たちの尽力で異世界エンテ・イスラから無事帰還した恵美。しかし長期間の無断欠勤により、テレアポのバイトをクビになってしまう。追い打ちを掛けるように、魔王は救出に掛かった経費を払えと、請求書片手に恵美へと迫る。その額なんと、三十五万円! 悪魔に借金などプライドが許さないのか、恵美は貯金を崩しながら、新たなバイトを見つけて返済しようとするのであった。
一方その頃、大家のミキティによって病院に隔離されていた漆原の身体には、ある異変が起きていた……。
フリーター魔王さまの庶民派ファンタジー第11弾。勇者の新たなバイトのせいで、勤勉な魔王がまさかの出社拒否に!?


新章開幕。
日本に帰ってきたから久しぶりに世知辛くものんびりな日常が読めるかと思ったら、今まで隠されてきた設定を一気に放出する説明の多い回で、前章の事後処理+新章の為の下準備という色合いが濃かった。
日常シーンが少なかったのは残念だが、それでもオルバの動機にはエメラダのふんにゃりした言動を、ノルドが日本に来た経緯にはエミリアの両親の惚気を、など随所にネタを挿んでくるので退屈することはなかった。
後半はマグドでのシーンが中心。
ついに勃発した勇者と魔王の直接対決……は、割とどーでもいいのでほっといて、
ちーちゃんマジお母さん。今回ダメダメだった真奥を説教している姿はまさに「おかん」。これは尻に敷かれますね。いや乳か?
もう一人存在感があったのが、同僚のカワっちこと川田君。リア充魔王を攻める彼のツッコミがいちいち面白い。ただのやっかみじゃなくて本人に向上心が有っての言葉だから嫌味な感じがしないのがさらに好印象。君こそ読者の代弁者だ!
と、笑いで攻めたところで最後は感動で締めるのがにくい。仲間の気遣い、素直なエミリア、いい誕生会だった。
次も初めは説明&説明かな? 頬を腫らしたあの人が何をどこまで語るかに興味津々。