いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「彼女が仲間になりたそうにこちらを見ている」内山靖二郎(MF文庫J)

彼女が仲間になりたそうにこちらを見ている (MF文庫J)
彼女が仲間になりたそうにこちらを見ている (MF文庫J)

ここは格ゲー能力者が手から波動を放ち、勇者も戦闘機も、パズルゲームのブロックだって落ちてくる通称“特区”。覇鳥軍司が拉致されて放り込まれたのは、ゲーム由来の異能者<AP(アルタプレイヤー)>が集うなんでもアリの場所だった。その矢先、面識がないはずの世界的なアイドルAP美優との出会いが、軍司の“何か”を刺激し、彼をAPへとアップデートさせる。「どうしてあなたは戻ってきてしまったの?」―その理由を知るために、隠された過去を明らかにするために、軍司は覚醒したスキルを駆使して、AP同士のバトルに身を投じていくのだが……それはそれとして、彼女が仲間になりたそうにこちらを見ている。仲間にしますか? はい / いいえ

TVゲームの能力を使って戦う学園異能バトル。格闘ゲームやFPSなどの直接戦うゲームだけではなく、各種シミュレーションやパズルゲームなどの戦いに向いていないゲームも出てくる。



このコメディ然としたタイトルで、軽めの学園異能バトルを予想していたら……
主人公・軍司はスタートから訳も分からず逃げなければならない状況に置かれ、そこからずっと逃げるか戦うかの怒涛の展開、ずっとシリアス。まさかパッケージヒロインが○○してしまうなんて!
また、説明文をなるべく減らして会話と状況で設定を分からせようとしているので、話の流れが非常にスピーディ。
そんな息つく暇のない重い空気を醸し出しているのに、使う能力はネタ臭満載。
某有名配管工やアクションゲーム史上最も死にやすい某先生などは明らかに笑わせに来てるし、格闘ゲーム使いなのに存在がネタなキャラもいる。
結局、シリアスをしたかったのかコメディをしたかったのか。双方が喧嘩していて、とてもアンバランス。


……内山先生は前みたいにホームコメディっぽいのはもう書いてくれないのかな(ボソ