いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか6」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6 (GA文庫)
【Amazon.co.jp限定】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)

ヘスティア、君に『戦争遊戯(ウォーゲーム)』を申し込む! 」「な、なんだとアポロン!?」
『戦争遊戯(ウォーゲーム)』──対立する神々の派閥が総力戦を行う神の代理戦争。勝者は敗者の全てを奪う。そして敵神の狙いは──
「君の眷族、ベル・クラネルをもらう! 」
戦争開始まで期限は一週間。更に追い打ちをかけるように今度はリリが【ソーマ・ファミリア】に捕らえられてしまう! もはや絶望的な状況。それでも少年と『出会い』、幾多の『冒険』を経た絆が今ここに集結する。全ては勝利のために!
『上等だ、アポロン! 僕等は受けて立ってやる、この戦争遊戯(ウォーゲーム)を! 』
これは、少年が歩み、女神が記す、
── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──

このハッピーエンドっぽい表紙は何事!? と思いながら読んでいたら……なるほど、こういうシーンね。中盤のハイライトにして一服の清涼剤だった。アイズのはにかんだ笑顔を想像しただけで御飯三杯いけそう。しかし、最近アイズが勝ち過ぎていて、負けフラグに思えてきた。心配だ。っと、話は逸れた。
今回はそんな清涼剤が必要な程、中盤までは我慢の展開だった。
これまでも苛め妬み嫌がらせ等の暗いところもしっかり書く作品ではあったけど、今回は相手が神だったこともあり別格。ベルを自分の眷属にしようとするアポロンの策略が陰湿なら、それに従う眷属のやり口も陰湿、加えてリリが所属するソーマ・ファミリアの幹部も下種と、これまで最もフラストレーション溜まった。
でもだからこそ、その後の展開が栄える。
まずは、これまで培ってきた友情のためにベルの助けになろうとする仲間たちの心意気が熱い。しかし、タケミカヅチのメンバーがこんなに重要なキャラクターになるとはね。ベルたちを窮地に陥らせるためだけのモブだと思ってたのに。 
そして、場が十分温まったところでのvsアポロン・ファミリアの戦争遊戯は文句なしの盛り上がり。10倍以上いる相手に、少数精鋭で自分の特性を最大限に生かす戦い方に燃えて、これまで溜まったフラストレーションを一気に払ってくれる勝ち方はまさに爽快。
MVPはベル……と言いたいところだけど、今回もリューさんだな。前回といい今回といいどこまで男前なんだ。確か女の人だよね。イケメン過ぎて自信なくなってきた。
神々に翻弄されて一切ダンジョンに潜らなかったが、問題なく面白かった。ベル君の強くなろうとする気持ちは町でもダンジョンでも一緒だから当然か。



巻末のステータスがとんでもないことになってる。これがアイズの修行の賜物なのね。次は開始時にすでにLv.3になってそう。