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「魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 〈下〉」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 (下) (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 (下) (電撃文庫)

二〇九六年、九月下旬。
四葉家当主・四葉真夜による「横浜から逃亡した周公瑾の捕縛に関する協力依頼」を受けた司波兄妹は、京都で九島光宣と出会う。その光宣と共に周の捜索を行うも、手がかりは未だ掴めなかった。
そんな折、七草家のボディガード・名倉の訃報が達也たちのもとへ届く。弔い合戦として、周捜索に真由美も参戦、事態は動き出す。
ついに周の潜伏先を突き止めた達也は、とある過去の強敵へと連絡を取り――。
『クリムゾン・プリンス』一条将輝、『四葉の最終兵器』司波達也が共闘! 緊迫の古都内乱編、完結!


さあ、ついに周公瑾戦。かつてない強敵を相手にド派手なアクションが、そしてお兄様無双が……ありませんでしたー! あれ?
これ本当に古都内乱編〈中〉じゃなくて〈下〉? マジで?
勝手に期待しておいて、無いからって憤るのは筋違いだとは分かっているけれど、上下巻分もある古都内乱編が、全くの山なしオチなしのまま終わったら流石に戸惑う。
今後に向けての伏線だけはいっぱい張っていったようだけど。周公瑾もこれだけあっさりした退場の仕方から察するに、別の身体に憑依してまた出てくるんだろうな。一つの編の終わりなのに、結局ストーリー上は準備以上の意味を見い出せなかった。
そんなわけで、ハイライトは百合百合しいほのか雫組か、酒乱真由美さんか、忠犬ワンコのイメージが付きまとう一条かという、ただのラブコメじゃねーかとツッコミたくなる15巻。
論文コンペの中身も当然のように無い等しいので、特徴の一つである魔法の説明も少なく、このシリーズの「らしさ」が極めて薄い話だった。ラブコメ部分はそれはそれで面白いけど、全体的には「なんだかなあ」と言う感じ。