ある事情で子供の頃からの夢だった教職を辞め、フリーター生活を送っていた青年、生田覚は、友人から離島の教師の職を勧められる。
島を訪れた覚を待っていたのは、たくさんの猫と美しい巫女。そして、天国に旅立ち忘れた4人の子供達の幽霊だった。そう、覚が頼まれたのは、『幽霊の子供達の先生』になることだったのだ。
最初は拒否する覚だが、子供達と交流するうち、彼らを新しい世界へ卒業させる決心をする。青年と子供達の心の再生を描いた優しい愛の物語。
これぞハートフル。
各章ごとにメインになる生徒と生田先生とのやり取りの中に響く言葉がいくつもあって、そこだけでも“いい話”だと思えるのだけど、全体の流れがもっと良かった。
初めのうちは相手が幽霊というのもあるのか、どこか作り物めいたものを感じるのだが、そのぎこちなさから次第に打ち解け、次第に変な遠慮がなくなっていく過程が心地いい。
また、生徒の二人の恋模様や世話をしてくれる巫女・浅緋への生田の淡い恋心という、ほんのり甘い要素があったり、数多く出てくる猫の可愛らしい/笑える活躍があったりで、ほっこりできるシーンが多いのも特長。
ただ一つ、終わり方だけが残念。
エピローグなしで突然切られた印象を受ける終わり方で、少々の物足りなさ、余韻の無さが残る。
幽霊達の転生の話はともかく、生きる人・生田のその後は何か後述があっても良かった気がするけどなあ。
