いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「スクールライブ・オンライン6」木野裕喜(このライトノベルがすごい!文庫)

スクールライブ・オンライン 6 (このライトノベルがすごい!文庫)
スクールライブ・オンライン 6 (このライトノベルがすごい!文庫)

沙耶の記憶奪回ミッションから息をつく暇もなく、栄臨学園は生徒会選挙&学園祭へ突入。城主ギルドのマスターとして生徒会長選に出馬せざるを得ない零央だったが、他候補者に比べ知名度&信頼性が圧倒的に不足。会堂の狂気を阻止するため《心の欠片(フラグメンツ)》と《迷子天使(ロストエンジェル)》は総力を挙げ、排水の陣を敷く! その計画は、零央の全校生徒を相手取った勝ち抜き戦&コスプレ喫茶!?
リアルとゲームが交錯する、白熱のMMORPG×近未来学園小説第6弾! 今は袂を分かつ、瀧と会堂の小学生時代を描いた書き下ろし短編も収録!


一生懸命勇気出しておててつなぐとこまでかいっ!w
ゲーム内での勇ましさがほんのちょっとでもリアルにはみ出せば……まあ、このギャップが零央くんの魅力でもあるわけだが。
さて6巻は、生徒会選挙+学園祭。
学園ものの大きなイベントを複数同時にやろうとすると、どっちつかずになるかカオスになるかで大半は失敗するものだけど、本作は実にいいバランス。会長選の裏にある重い問題を、お祭り騒ぎの明るさが上手く中和してくれているのと、会長選をダシに零央の活躍の場を大幅増量させている。まあ、このシリーズで会長選だけをガチでやったら、表面はギスギス、裏では犯罪紛いの票集め合戦になってめっちゃ重い話になりかねないからね。主に会堂のせいで。
学園祭で増量されたラブコメ成分は、各キャラ満遍なくといった感じ。復活した沙耶がもっとグイグイ来るかと思っていたのだが。一押しは神鳴ちゃん。これは良い微デレ。
一方のバトルシーンは相変わらずのギリギリ感が気持ちいい。通常攻撃一撃で葬り去られるようなレベル差の敵でも臆せず立ち向かう度胸に分の悪い賭けでも即断する思い切りの良さ。リアル零央と3R零央は別人(確信)
そう言えば零央の記憶の問題は一切出てこなかったなあ。会長選が終わって〈ART〉の問題と本格的に対峙するのは次になるだろうから、その時出てくるか。……って、え? 次回、クライマックス!?



特別短編 Epiisode千早 スタンド・バイ・ミー
千早と会堂の過去短編。
とりあえず第一声はこれだよね「誰だお前」
いるいる極端から極端に走る奴。でもいくら過去の傷を見せられても、同情する気は起きないなあ。今の状態が絶対強者として君臨していてラスボス然としていたら好きになれる要素もあったかもしれないけど。完全なヒールとして描かれているキャラ(と自分は思っている)にこのエピソード要る?
それでも、瀧先輩の弱さを知れて彼女のキャラに深みが増したのと、初対面から漫才かましていた杏奈との出会いの話は良かった。