ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー (富士見ファンタジア文庫)
趣味はゲーム。それ以外には目立った特徴もなく、かといって平凡な日常を愛していたりもしない、真の意味でのモブキャラぼっち高校生、雨野景太。そんな彼が突然、生徒会でハーレムを宣言したり、ゲームであっても遊びではないMMO世界に閉じ込められたりするわけでもなかったのだが……。
「……私に付き合って、ゲーム部に、入ってみない？」
学園一の美少女でゲーム部の部長、天道花憐に声をかけられるという驚くほどのラブコメテンプレ展開に遭遇。ゲーム好きな美少女たちとのラブコメの始まりかと思いきや!? こじらせゲーマーたちによるすれ違い錯綜青春ラブコメスタート!
ゆるいゲーマーのぼっち主人公が、美少女に誘われてゲーム部に入部して高校デビュー……しない、と。
オーケーオーケー。作者の作風からストレートに話が進まないことは読めていたし、そんな普通の話だったらこんなに話題になるはずがない。
でも、この卑屈な主人公で面白くなるのかなあ。ん？このリア充君主要キャラなのか。おや？美少女の様子が？ えー、主人公が卑屈なのに卑屈女子まで出てくるのか…………え？ あれ？
どうやったらここまでこんがらがらせられるだよ！ もうこの平仮名の並びがこんがらがってて読み難いよ！ｗ 絡まったコードを直そうとして悪化させる天才か？
人間関係をこれでもかき回しているに、さらに上原君（リア充の人）以外の主要メンバーの性格が面倒くさ過ぎる！
ぼっちで卑屈で変なところばかりプライドの高い主人公・雨野とその生き写しのような女子・星ノ守。完璧超人で学園のアイドルのはずが初恋？で空回り女王と化した天道。おまけに愛が重い上原彼女。
こんな奴らに板挟みにされては、チャラそうに見えて意外と気配りの人・上原君が何度も壊れるのも納得である。某副会長を思い起こさせる。というかこれ、上原君主人公でよくない？
錯綜青春ラブコメとは書いてあったけど、ここまでぐっちゃぐちゃだとは思わなかった。それでいてシリアスにならずに軽く笑える作品に仕上がっているのが流石。面白かった。
次巻に向けてこれだけは言わなければなるまい。
上原君がんばれ超がんばれ！
