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「グラウスタンディア皇国物語7」内堀優一(HJ文庫)

グラウスタンディア皇国物語7 (HJ文庫)
グラウスタンディア皇国物語7 (HJ文庫)

リジア十二貴族ベルゲンとの命を懸けた交渉から、辛くも帰還した皇国軍師クロム。そんな中、戦況は遂に両国の王が自ら出陣する事態へと発展し、まさに最終局面を迎えようとしていた。果たしてクロムは、現状でも倍の戦力差があるリジアを相手に、皇国を勝利へと導けるのか!? すべての皇国七聖も戦場に集結する第二次リジア戦役、ここに決着!!

第二次リジア戦役決着! 第一部完!!
……って、ええ? 決着とは書いてあったけど、これで終わりなの? 大人の事情的に第二部は望み薄だろなあ……。
元々、個人の描写に重きを置いて戦況は淡々と描きさっさと進めていく物語ではあるけれど、今回は特に駆け足。戦況がコロコロ入れ替わり、息を付かせぬ展開というよりはもう追い付いていくのがやっとの状態。その所為なのか1つ1つのシーンが短かったからか、個人の描写にあまり感情移入できなかった。
クロムの様子が機械じみて感じたのは、0巻のクロムが人間らしかったのもあるけど、彼個人の感情がほとんど描かれなかった所為だろうなあ。ラトルグの二人はやっと邂逅したと思ったら出番これだけ? 第二部があれば主役級の扱いになるんだろうけど。あとは神々の話も、、、まあこれは初めからおまけだったか。
そんな中で一人気を吐いていたのがフィフニス。
凶弾に倒れ一時重体になっても不屈の精神力で立ち上がり、部隊を鼓舞する姿が感動を呼ぶ。こうして振り返ってみると、主演:フィフニス、演出:クロムな第一部最終巻だったかと。
でもやっぱり、全体的に見ると戦況は激しく伏線も綺麗に回収されていったのに、あっさりした印象であまり盛り上がれなかった。
期待せずに第二部を待ちますか。