いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「大正箱娘 怪人カシオペイヤ」紅玉いづき(講談社タイガ)

大正箱娘 怪人カシオペイヤ (講談社タイガ)
大正箱娘 怪人カシオペイヤ (講談社タイガ)

時は大正。巷に流行る新薬あり。万病に効くとされるその薬の名は――「箱薬」。新米新聞記者の英田紺は、箱娘と呼ばれる少女・うららと調査に乗り出す。一方、病に冒された伯爵の館には怪人・カシオペイヤから予告状が届く! 館では陰惨な殺人事件も発生し、現場に居合わせた紺は、禁秘の箱を開き「秘密」を暴く怪人の正体を知ることに。怪人が狙う帝京に隠された謎とは!?

大正箱娘の続編。
普通に面白かったのだけど、、、なんか薄味。
事件に潜む猟奇は変わらず有るので、どこかおどろおどろしい雰囲気はそのままだったけれど、大正時代のレトロな感じと男性社会での女性の生き難さや閉塞感などが強く感じられた前作と比べると、色とか主張とかがかなり薄くなった印象。 
紺が男を演じなくなっていたからだろうか。箱娘ことうららの露出と紺とうららの会話が少なかったからだろうか。もしくは今回の話の中心である怪人カシオペイヤの正体が(読者には)あっさりと明かされたからだろうか。
それらもあるが、今回の三話のどれもに「男の友情」があって、それが普通だったのが一番の要因かな。女性の狂気を描く、尖がっている紅玉作品と比べてしまうとどうしてもね。
怪人カシオペイヤの全てが明かされたわけでもないし、箱娘の神秘性は増しているので続編に期待ということで。