いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #04」枯野瑛(角川スニーカー文庫)

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)
終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)

「フェオドール。わたし、やっと決めたよ。──きみの、邪魔をしてやる」
妖精兵ティアットと堕鬼種(インプ)の対峙は、ラキシュの振るう《聖剣(カリヨン)》セニオリスの一撃で決された。手負いの堕鬼種が目指すのは――かつての戦場、コリナディルーチェ市。バロニ=マキシ一位憲兵武官の計らいで彼の地へ向かったティアットは、朱髪の先輩妖精兵らと邂逅を果たす。一方その頃、妖精倉庫の管理人喰人鬼(トロール)もまた、旧き知人を訪ねてその地を訪れていた……。

前回よりもさらに静かな回。と思っていたらあとがきに前後編の前編だとあって納得。
護翼軍側にも反乱勢力側にもきな臭い動きが見え隠れしつつ、妖精兵たちにとって大変重要なあの医師が表舞台に出てきたり、ナイグラートが出張ってきてフェオドールとの意外な関係が明らかになったり、と水面下でだけ状況が動いている、そんな回。今までごちゃごちゃだった各陣営の目的、誰が何をしたいのかが整理できたのが良かった。
しかし大きな動きがないといっても、誰かがどこかで静かに泣いていたり、静かに追い詰められていたりするのは、このシリーズの日常。
どうにもナイグラートの涙には弱いな。読者と同じ妖精少女たちを見守る立場だからなのか、すんなり共感できてしまって引きずられてしまう。
あと気になるのは、逃亡者の二人が両方共いつ爆発してもおかしくない状態なこと。恐らくラキシュの方が爆発するんだろうけど、引き金はどちらになるかは微妙な状況。どちらにしてもきつい現実を突きつけられそう。
激動になるらしい後編は何が起こるのか戦々恐々。とりあえずあとがきの次回予告はその通りになったことがないので信じないw