いつも月夜に本と酒

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「新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 III」支倉凍砂(電撃文庫)

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙III (電撃文庫)
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙III (電撃文庫)

聖職者志望の青年コルの旅の連れは、「お嫁さんにしてほしい」と迫ってくる賢狼の娘ミューリ。海賊の島から出た二人は、嵐に巻き込まれウィンフィール王国の港町デザレフにたどり着く。
教会が機能していないその町で、コルは「薄明の枢機卿」と呼ばれ、まるで救世主のような扱いを受けることに。そしてコルはミューリの求愛に向きあうべく、自らを「兄様」と呼ぶことを禁止し、関係を変化させようとするのだった。
そんなコルたちの前に、イレニアと名乗る商人の娘が現れる。彼女はなんと羊の化身であり、“ある大きな計画”に協力してほしいと持ちかけてきて――?


北の群島から港町アティフに戻る途中に船が嵐で流され、辿り着いたのは羊毛業が盛んな港町デザレフ。そこで二人を待っていのは――な3巻。
3巻にして初めてコルが活躍した! 
これまで負けっぱなしだったミューリとの言い合いで初めて一本取った。慌てるミューリは可愛かった。コルGJ!
これまで盲目に信仰とハイランドを信じて突き進んできたコルが、イレニアの頼みには立ち止まって周りの意見を聞いて自分で考えて行動していた。相手の言葉の真意や裏を読んで次の一手を決めるやり口はロレンス流。初めて『狼と香辛料』の続編を読んでいる実感があった。
これまでミューリ頼みだった問題解決と窮地脱出も、今回ばかりはコルの思考と運で手繰り寄せた。まあ詰めの甘さは師匠譲りってことで。ホロがいれば「たわけ」って言われるなw
3巻にしてやっと“コルの物語”になった気がする。流されてばかりの2巻と違い3巻はとても面白かった。コル坊はやれば出来る子。
次は今度こそアティフ入りかな。ハイランドと相対した時に今回のような行動が出来るかどうか、コルの成長に期待。