いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おかえりシェア」佐野しなの(メディアワークス文庫)

おかえりシェア (メディアワークス文庫)
おかえりシェア (メディアワークス文庫)

新鮮みのない毎日。人生の不感症。アラサーOLの道子は、退屈な日々を過ごしていた。
ときめきを求めていたある日、家に帰ると、部屋の壁に「穴」が!? そこから覗いていたのは隣人のイケメン男子手近くん。穴を空けたお詫びとして、彼が引っ越すまでの1週間、毎日顔を合わせて会話することを提案される。
『あいさつ、おしゃべり、一緒にごはん』
三つのルールでつながる不思議なシェア生活がはじまって――? 期間限定ときめきラブコメ!

日々灰色のOL生活を送っていたアラサー女性が、隣人(イケメン男子)の明けた穴を通じてコミュニケーションとることで、日々の生活に色を取り戻していく物語。
冒頭の理由付けと彼の必死さに違和感はあったものの、前半の彼女目線オンリーで話が進んでいる時は、もう少し甘い話になる流れだったのに。これがCMで有名なビューネくんか!と笑えて読めていたのに。
どうしてこうなった?
その小道具、違和感の理由付けだけの役割で良かったよ……。
後半になると、極度に自分に自信がない彼女の度を越した卑屈さがクローズアップされて、イラッとするシーンが増えてくるのと、彼の方に思いっきりシリアスな理由が出てくるのとで、一切笑えなくなった。
その彼女が前向きになっていく話なので、いい話ではあるのだけど……。
卑屈な彼女を励ます流れで自己啓発系のいい言葉が沢山出てくる。この沢山というのが問題で、その手の言葉を出しすぎて羅列してるだけ=上辺だけの言葉に思えてしまう。そういうのは一つ二つの方が印象深くて心に残るのに。
想像していた甘い話にならなかった不満を差し引いても、ちょい微妙。