いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「妹さえいればいい。11」平坂読(ガガガ文庫)

小説がまったく書けないという大スランプに苦しむ伊月を、恋人の那由多は優しく見守る。土岐や京は伊月を復活させるための方法を模索するのだが、結果は芳しくない。一方、女の子であることを隠さなくなった千尋にも、大きな変化が訪れるのだが……。そんななか、第16回GF文庫新人賞の授賞式が開催される。青葉や木曽たちが受賞してから、はやくも一年の月日が経っていたのだ。怒濤の流れに翻弄されながらも、主人公たちは足掻き続ける――。大人気青春ラブコメ群像劇、衝撃の第11弾登場!!


羽島家の一家団欒がぎこちなくて、でも温かくてほんわかした。千尋くん良かったねえ。
と、和んだのはこのシーンくらい。
10巻の続き!!!!(帯より)=伊月スランプ回ということで、主人公になりたかった少年が大人になり、自分を顧みる時間が出来てしまったことで突きつけられる事実の数々に打ちのめされる。いつものバカ話にすらちょっとした闇が見え隠れする重苦しい空気(当作品比)で、真面目な青春群像をしてた6,7巻辺りよりもシリアスな回。
みんながスランプを察し心配し何とかしようとしてくれる。これだけ人を引き付ける魅力があって、人望を得るだけのことをしてきた伊月は十分に主人公なのだけど、スランプ中の本人にはわからないだろうなあ。
さて、気になるヒロインたちは、
千尋が泣くことになるのは予想していたが、まさかこんな理由でこんな凹み方になるとは。完全に予想外。奴はイケメン罪で有罪だな。求刑はどうしましょうかね。
京は好転フラグ? いや闇落ち後の救いの手という保険かな。あの人が闇に突き落とす方じゃないことを祈る。
可児公は……うん、酷だがもう一度頑張ってくれ。もう君だけが頼りだ。
大きな亀裂が入ったところで次回へ。また軽い気持ちでおバカな話を読めるようになるためにも、早く復活してくれ伊月くん!