いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「異世界居酒屋「のぶ」三杯目」蝉川夏哉(宝島社文庫)

異世界居酒屋「のぶ」三杯目 (宝島社文庫)
異世界居酒屋「のぶ」三杯目 (宝島社文庫)

古都には雪が舞い、年の暮れが近づいていた。厳しい冬でも、居酒屋「のぶ」は暖かな店内で美味い酒や料理を振る舞ってくれる。ハンスは衛兵を辞めて「のぶ」で料理人の修業を始めたのだが、父親は気に入らない様子。そんな折、帝国皇帝と東王国の王女摂政宮との間で“お見合い”の話が持ち上がった。しかし皇帝は見合い相手と結婚することに乗り気ではなかった。親子仲も恋も揺れる異世界グルメファンタジー、第3弾。

店員が増えたよ!なシリーズ第三弾。
急に地の文に五郎節っぽい表現が混じるようになったんだけど、孤独のグルメを視たり読んだりしたんだろうか。いっのっがしっら♪
それはそうと、やっとこさ焼酎でたー。でもやっぱり扱い軽い。色々な名前が出る様になってきた日本酒と比べると、知っている名前をただ出しただけの様子。作者本人が飲まないから出て来ないんだろうから、今後も望み薄だろうなあ(泣)
さて、今回一押しの肴は……角煮か鯖の味噌煮か悩むところ。居酒屋らしく〆をお行儀悪く食べてくれたトマスのファインプレーで、飯テロ力は味噌煮がやや上か。
話としては王族のお見合いin居酒屋が印象に残った。いい意味でも悪い意味でも。
おい、王族の方々。お忍びの偽名はしっかり決めとけ。
恋バナ大好物だし、悲恋の予感からの運命の再開はベタベタで最高なんだけど、そこで本名を呼び合うのは流石に間抜けだろう。その前に気付けよ、違和感しかないわ。折角いい話いい空気なのにもったいない。この作品の大雑把な面が悪い方に出たエピソードだった。