いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「変態王子と笑わない猫。12」さがら総(MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。12 (MF文庫J)
変態王子と笑わない猫。12 (MF文庫J)

「わたしと、ピクニックの仲間を集めに行きましょう」……一本杉の丘で再び出会ったぼくと月子ちゃんは、手を繋いで歩き出す。大切な人を、かけがえのない思い出を、きっと取り戻すために。
横寺くんノート(著&脚色・筒隠月子)に基づき、ゲーセンで遊んだり勉強会をしたり、いちゃいちゃアニマルタイムを繰り広げたり、昔懐かしいイベントに奮闘するのだけれど――「月子ちゃんも早くすっぽんぽんノルマを果たさなきゃ!」「それもやぶさかではないですが」「なーんちゃって、……え?」――脱ぐ気いっぱい!? 大人気爽やか系変態青春ラブコメ第12弾! 何もかもが変わってしまった新世界で、それでも変わらない何かを探す最後の旅路が、今始まる――。

最終巻。
猫神さまの天邪鬼さと、いろんな人の願いが入り混じったおかげで、過去やら何やらあちこちに飛ばされてきた彼らが行き付いた世界。それは誰もが大きな悩みがなく、みんなが幸せな世界。但し、それまでの出会いや出来事はリセットされていて、幸せなのに違和感と物足りなさと寂しさを感じる世界。
これでいいのか、横寺君?と思いながら読んでいたら、思いの外サラッと終わっていった。元に戻ったりはしないのね。
でも、257ページを見たら納得せざるを得ないかな。自分もこれを見る為にここまで読んできた感は少なからずあるもの。
これはエゴだと嘯きながら、下ネタ脱線で誤魔化しながら、女の子が涙を流さぬようにという願い一つで がむしゃらに動き続けてきた横寺君も、最愛の女の子の笑顔以上に手に入れたいものはなかったわけだ。
自分は月子派なのでなんだかんだでこれで満足したけれど、梓派は満足しないんじゃないか? 同日発売のコミカライズ最終巻は違う終わり方のようなので、そっちで補完されてたりするのかしら? それとも短編集?