いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「戦うパン屋と機械じかけの看板娘8」SOW(HJ文庫)

戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 8 (HJ文庫)
戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 8 (HJ文庫)

三つの事件は収束し、新たな物語の幕開けとなる!!
ある日、トッカーブロートに謎の男・マイッツァーが現れる。彼は自らをスヴェンの父親と言い張るが、機械仕掛けの彼女に血のつながりなど存在しないはずで……。
一方王都では、ソフィアがヒルダたちと新大陸国家ノアから来た正体不明の将軍を出迎えていた。また、ダイアンはある物の調査で、ブリッツドナーと共に敵国オーガストへと潜入していた。
離れた場所の別々の事件が次第に交わり、より大きな事態に繋がっていく。登場キャラ総動員で動き出す人気シリーズ第8作!!

スヴェンの父親を名乗る男が現れたトッカーブロート、要人警護に当たるソフィア、ゲーニッツの負の遺産の調査に行くダイアンとジャコブ父、の三元中継でお送りする第8巻。ペンギンかわいい。
オートマタなスヴェンの父を名乗るマイッツァーの絶対嘘な素性はとりあえず置いておいて、何かを知っているらしい彼の登場で、ルートとスヴェンの関係を見つめ直すきっかけになる話だった。
そのマイッツァーに翻弄され悩む機会の多かったスヴェンと、いつになく情けない状態になっていたルート(おかげで答えは全部先延ばし)のメイン二人の活躍がない代わりに、コメディでもアクションでももう二人のオートマタの活躍が光った。色ボケ化+最後に大暴れのレベッカはスヴェンの様だったし、ヒルダのこぶ以上の印象がなかったリーリエに至っては、国難を救いペンギンの可愛さを引き出す文句なしMVPの活躍。ペンギンかわいい。
話としては次が本番!という感じながら、政治・宗教・報道という武力よりも言葉の力の色が濃く、しかも搦め手ばかりでモヤモヤとストレスが溜まったここ数巻に比べると、落ち着いて楽しめる内容だったかと。いや、言葉の力や搦め手がメインのラノベがあっても良いとは思うし、むしろ好きなジャンルではある。キャラクターとそれまでのストーリーに合っていればの話だけど……。
主要メンバーが一同に集結して、次は盛り上がる回になるに違いない。