いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「絶対城先輩の妖怪学講座 十一」峰守ひろかず(メディアワークス文庫)

絶対城先輩の妖怪学講座 十一 (メディアワークス文庫)

『白澤』の脅威は、ついに杵松にまで及ぶ。親友を救うため手掛かりを探す絶対城と礼音は、郊外にある国立文書館へとたどり着く。そこで白澤の正体と目的を知った二人だが、白澤の追手から逃れるため身を隠すことに。しかし、その先にも魔の手が迫る――。
白澤に対抗する手段を探し、師匠のクラウス教授や、同じ妖怪学徒の櫻城晃の協力も得る。しかし白澤は絶対城を取り込むべく、妖怪知識の全てを得られると誘惑し……。
最愛の先輩を救うため、一人残された礼音は――。

終わらない……だと!?
もちろん終わって欲しいわけではないけれど、あまりに最終巻らしかったのでビックリした。
元々ラスボス然とした白澤が今回の相手で、その白澤がこれまで出てきた怪異の能力を使いながら攻めてくる。さらに敵になった人も味方になった人もこれまでの登場人物。そんなシリーズの総括みたいなことをされたら最終回だと思うじゃない。なので、誰が敵なのかも分からない状況と常に劣勢の展開にハラハラしながらも、終わる寂しさを感じながら読み進めていたのに、無駄しんみりだったかw まあ、次こそ最終巻みたいなので、本編ラストと考えればおかしくはないか。次は全編エピローグみたいになりそう。
さて、毎回妖怪の奇抜な解釈で楽しませてくれるこのシリーズ、最後(たぶん)の大物・白澤は、、、そうきたか! それでオープニングがSNSと専用アプリの話だったのね。当然フィクションなのだけど、図像学という学問はあるし、見ただけでどうにかなるいわくつきの絵も実際にあるらしいので、「それはない」と言い切れないところが恐ろしい。毎度、本当に上手い落としどころを見つけてくるなと。あとトンデモ理論なのに妙に説得力のある絶対城の語り、やっぱり好きだ。
最後はひたすらイチャイチャして終了。ただの傍迷惑なバカップルじゃないかw ラス前でこれだと次回は砂糖を吐けるかもしれない。