いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「かくりよの宿飯 九 あやかしお宿のお弁当をあなたに。」友麻碧(富士見L文庫)

かくりよの宿飯 九 あやかしお宿のお弁当をあなたに。 (富士見L文庫)

天神屋の大旦那を捜して“隠世”各地を渡り歩く葵。黄金童子に導かれ、辿り着いた北西・文門の地で、ついに大旦那と再会を果たす。
お尋ね者になっているにもかかわらず、大旦那は以前と変わらない様子で、二人は束の間の穏やかな日々をすごす。それでも大旦那が姿を隠した理由、祖父・史郎との関係、そして―かつて自分を空腹から救ったあやかしの真意を知りたい葵に、大旦那はある提案をするのだった。
「お弁当と引き換えに“真実”を一つずつ教えよう」そして葵は、ひとつの答えを見つけ出す。

前回に続いて葵の本領発揮回。
しかも今回はお弁当&お節がテーマとあって、品数は過去最多かも?というぐらい作る作る。飯テロ力は相当高い。
そそられる料理がいくつも出てきて迷うところだが、弁当なら味噌カツサンド、弁当の一品でなければゴマサバの二強か。ソースカツサンドなら何度も食べたことがあるが(広島出張帰りの軽食のマイ定番)味噌カツの発想はなかった。名古屋駅になら売ってる? ゴマサバは確実にご飯二杯はいけるやつ。他には黒酢チャーハンに興味あり。米酢で代用きくかな?……風味が別物になる気がするな(^^;
とまあ、葵さん大活躍で、これは大旦那様も大満足……って、あれ?
大旦那様が普通にいらっしゃる!?
おいこら、囚われのヒロインは助けられるまでちゃんと捕まってなさいよ! と思いながら読んでいたら本当にもう一度捕まってて苦笑い。なんだこの人w お茶目な鬼だ。
そんなわけで、一時復帰の大旦那様の口から、これまで伏せられていたことの諸々が語られるのが九巻の本題。
確かに語るべき人はこの人だとは思うけど、登場は唐突だしこんなにまとめて伏線回収しなくても、というのが率直な感想。一気に風呂敷を畳みに来たことによって、終わりを強く印象付けることには成功しているけど、あんまり上手い伏線回収方法とは思えない。特に好きな料理は伏せておいて欲しかったなあ。
何はともあれ、伏線回収を大方済ませ、ヒロイン♂救出と一番大事なことだけを残して次回最終回へ。
そういえば過去二巻の積極的な銀次押しはなんだったんだ? 今のところ意図が見えないが、これも最終巻を待つしかないか。