いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺、ツインテールになります。16」水沢夢(ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 (16) (ガガガ文庫)

あなたはもうすぐ死ぬ――エンジェルギルディよりトゥアールへ告げられた衝撃の事実。属性力を自ら捨てた反動で、自覚のないままに生命を削り続けてきていたのだ。トゥアールの心を強く持たせるため、総二たちは普段なら絶対に聞けないような彼女の要求に応え続ける。仲間たちの献身で元気になったかのように見えたトゥアールだったが、彼女はすでに自分が手遅れであることに気づいていた……。ツインテールを愛し、孤独に戦い、運命に翻弄され続けた少女――トゥアールの復讐の旅が、ここに終着を迎える。

良かった。死亡フラグじゃなくて覚醒フラグの方だった。(と書いた時点ですでにネタバレだからあとは気にせずに書こう。)
前回はコメディパートでトゥアールが目立っていた回だったが、今回は正真正銘のトゥアール回。
覚醒させるのに、何段階引っ張るんだよ!……激熱じゃないか、ちくしょう!
この演出は、1冊が長尺の小説だからこそかもしれない。1話/1冊が短いアニメや漫画でやったら飽きられてしまいそうだ。そんな小説だからできる、貯めに貯めた期待値、パワー、フラストレーションその他諸々を一気に解き放つ気持ちよさと言ったら。総二への愛が溢れているきっかけのシーンから、愛香とのこれまで育まれてきた友情が感じられるラストシーンまで、感動しないところがない。神々しいツインテールの見開き絵も素晴らしい。そこの展開が熱くて、過去最強にして絡め手タイプの相性最悪な難敵エンジェルギルティとのバトルがおまけになってしまうほど。おめでとう、そしておかえりトゥアール。
今回も熱かった。最高でした。
憂いがなくなり今度こそラストスパートへ。でもラスボス戦前に、アポロギルティにポセイドンギルティまでいるのか。