いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「天才王子の赤字国家再生術3 ~そうだ、売国しよう~」鳥羽徹(GA文庫)

帝国皇女との結婚話から始まった騒動を切り抜け、国内の地盤固めを進める王太子ウェイン。そんな彼の下に隣国カバリヌより使者が到着する。大陸西側の一大宗教・レベティア教の主催する『聖霊祭』にウェインを招待したいというのだ。
「行きたくねええええええええ!」
西側に絶大な影響力を持つ『選聖侯』が集うイベントということで、ロクでもないことに巻き込まれるのはほぼ確定。それでも隣国との友好のため、ウェインは渋々西へと向かうのだが――!?
クセ者だらけの国際舞台に、天才王子が本格デビュー! 大人気の弱小国家運営譚第三章、ここに開幕!


音楽性の違いwwwくっそwww上手いこと言いやがって
普段は冷静沈着なウェインが、ニニム(フラム人)への侮辱が絡むと急にヤバい人になることは、1巻2巻と表現されてきたけれど、、、まさかここまでとは。やったこと愚行中の愚行で、その後自分を窮地に追い込んでいるのだが、もの凄くスッキリするシーンなのは確かで、その後の言い訳も爆笑ものと最高のシーンだった。ニニムへの愛の深さも感じられるし。この主人公、やっぱ最高だわ。
そんな、ウェインがちょっとやらかしてしまう大陸西側への外交の旅を描く第三巻。
うわっ、西側の為政者やべー奴しかいない。クセ者なんて生易しいレベルじゃない狂人だらけでドン引き。まあその分、対面したウェインの内心ツッコミは面白いのだが。特に西側最大勢力のレベティア教の女性局長は、世界を混沌に陥れる魔女とでもいった人物。今後、西側が話に絡む時はこの人中心で話が回りそう。ウェインやロワはこいつらを相手にするのか、大変だ。でも、その分楽しみだ。
そしてもう一人忘れちゃいけないのが、新キャラのゼノ。
出てきた時点ですでに傑物だった王や王子たちと違って、学習・吸収して育っていくタイプのよう。ウェインの近くで、どれだけの人物になるのか(&どれだけ毒を吸収していしまうのか)楽しみ。
苦労の種を自分で撒いている空回りぶり含めた残念さが楽しく、どんな困難も機転とユーモアと少しの毒で解決していく姿が痛快。三巻も面白かった。
次こそ旧友たちが出てくる模様。これで賢王大戦らしくなるか?


最後に一言。
やっぱりニニムは白がいい!