いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダーウィン先生、ケモノ娘たちが学園でお待ちです!」野々上大三郎(ダッシュエックス文庫)

動物の耳やマズルや尻尾など、ケモノの身体的特徴を持つ少女たち。通称〈ケモノ落ち〉は、片田舎の学園で集団生活をしていた。
主人公のダーウィンは動物に並々ならぬ執着を示すマジメな動物学者。新しくその学園に赴任した彼の研究熱心さは、たびたび行き過ぎた行動に現れる。
尻尾の付け根を確認するためにスカートの中に潜り込んだり、上着を脱がせて剪毛を始めたり。そして、彼女たちが抱える悩みを、動物学者の見地から圧倒的知識で解決する。
ケモノ少女たちをまったく差別しないダーウィン先生は、どんどん生徒たちに懐かれていくのだった。すべてのケモナーのための学園ケモノ美少女進化論――!


〈ケモノ落ち〉と呼ばれる動物の身体的特徴を持ってしまっている少女たちの先生になるべく、研究バカのダーウィン先生が学園に赴く学園ラブコメディ。
舞台は19世紀中盤のイギリスで史実に沿った背景ではあるが、内容がバカコメとエロコメの間くらいのテンションなので、あまり気にすることはないだろう。
思いがけずいい話だった。身体的に劣等感を持った子供たちが、変人だけど偏見は持たない先生に救われるという、ハートウォーミングな話。そこにケモナーの武器、耳や尻尾での感情表現が加わってヒロインたちがとても可愛く映る。
また、彼女たちの悩みを解決するために使う動物の知識もちゃんとしたもので、蘊蓄小説としても面白い。
ただ、一つ言いたい。これにエロは要らない!
変なことしなければ道徳的でそのまま児童書でもいいような内容なのに、なぜエロ要素を入れてしまったのか。エロシーン、特に喘ぎ声がそれはもう浮いてること。折角、尻尾とか耳とか肉球とか、良いもの持っているんだから、カワイイに寄せて欲しかった。勿体ない。
それでも結構面白かったので、次があれば買いますが。次はネコ科少女希望。