いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔弾の王と凍漣の雪姫2」川口士(ダッシュエックス文庫)

ブリューヌ、ジスタート連合軍によるムオジネル侵攻は、失敗に終わった。アルサスに帰還したティグルだが、国王からの密命を受けてジスタートへ向かう。
愛するミラとの再会を無事に果たし、オルミュッツを訪れたティグルを、新たな出会いが待ち受けていた。ミラと険悪な間柄で知られる戦姫“銀閃の風姫”エレオノーラが来ていたのだ。
一方そのころ、北西の王国アスヴァールは、ジスタートに野心の牙を向けようとしていた。そこには、戦による混乱と流血を望むブリューヌのガヌロン公爵と、そして魔物の影があった。
黒弓と竜具に導かれるティグルとミラの運命は。新たな魔物との戦いが幕を開ける!!


ティグルはティグルだった。安心した。
1巻では前作『魔弾の王と戦姫』と少し雰囲気が違って驚いたのだけど、エレンやソフィーが出てきたら、早速自慢のたらし力を発揮してくれた。よっ、未来のハーレム王!
本作でメインヒロインになったミラには悪いけど、やっぱりエレンの方が好きだな。戦姫として器の大きさと、女の子の顔になった時のギャップが魅力。ミラの独占欲の強さからくるヤキモチも可愛いんだけどね。
内容の方は、1巻が導入部ならば、2巻は大きく風呂敷を広げる巻だった。
前作とは逆で、対人間の戦争よりも対魔物のバトルファンジーの方に比重が置かれていて、戦姫たちとの共闘は序盤から熱が入っている。出会う戦姫が増えるほど苛烈になっていきそう。
それと、今回はとにかく視点が多い。
ティグルやミラはもちろん、前回一緒に戦ったロランや敵だったダーマ―ド。前作でも敵のテナルディエやガヌロンに加え、前作では名前くらいしか出てこなかった国まで出張ってきて、『魔弾の王と戦姫』よりもスケールが大きくなりそうな予感がする。
前作とは違う様相を見せてきた世界で、今度はティグルがどういう経路で王になるのか、続きが楽しみ。