いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「偽の恋人だったクラスの美少女たちが、本当に俺のことを好きになっていた件」友橋かめつ(ファミ通文庫)

「俺には彼女がいるんだ!」義妹から日々結婚を迫られることに辟易としていた俺は、咄嗟にそんな嘘をついてしまう。早速俺はアリバイ作りのために、リア充の桜井、完璧主義の千本木、そして幼馴染みの蛍に偽の恋人関係を結んで欲しいと頼み込むも全員に断られてしまった……はずが、三人とも恋人になってる!? その後恋人同士の"俺"争奪戦も始まり、さらには俺の異変に気づいた義妹が監視を強化して……!? 偽の恋人たちとの、間違いだらけラブコメ、開幕!


主人公が義妹の猛烈なアプローチを交わすべく、3人の少女に恋人のフリを頼むことから始まるハーレムラブコメディ。
年中発情ストーカーな義妹のインパクトが強烈。……特に他に言うことがない(^^;
劇物な義妹のキャラクターは確かに目立った存在だったのだが、彼女のおかげで小ネタは下寄りになり、ヒロインである三人の偽彼女たちの印象が薄くなりと完全に諸刃の剣。マイナス面の方が大きい。ヒロインの一人に女王様気質のドS少女がいたのに、この義妹の前では霞んでしまう。
それと、ハーレムものなのに主人公のモテる理由がはっきりしていないし(優しい良い子ではあるとは思うけど)、ヒロインたちに彼を好きになる強いエピソードがあるわけでもないので、誰にも感情移入できないのが辛いところ。惚れている理由が幼馴染み以外は納得できる要素がないもの。
ブコメとしても甘さも可もなく不可もなくで、これといって琴線に触れることのない作品だった。