いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「居酒屋ぼったくり11」秋川滝美(アルファポリス)

東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。
名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。
旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、感動の最終巻!


最終巻。
結婚式と新婚旅行、プラスそれに付随する諸々の行事と、一冊丸ごとエピローグな11巻。居酒屋ぼったくりのお店の話としては10巻が実質最終巻だったかな。
久々の長期休みでも忙しなく動いている美音と要を見ていると、案外似たもの夫婦なんじゃないかと思えてきた。それにしても、この新婚旅行はいいなあ。
新婚旅行はきっちり予定を決めていく海外旅行のイメージが強いけど、二人の旅は気ままな国内の車旅行。気になったところふらっと立ち寄ったり、描写はされていないけれど、地元の人とのふれ合いも二人の性格なら楽しみの一つだろう。あと、女子大生を拾ったりねw 半分はお店の仕入れの旅なっているところを含めて、美音さんらしい旅行でほっこりした。
あと、どうしたって印象に残るのが、美音さんの佐島家からの愛され具合。お店と住居がサプライズプレゼントでどんどんグレードアップしていく様子は、大工のショウタの困惑を含めて笑うしかない。
改装後のぼったくりの様子も読んでみたかったけれど、いい区切りで、綺麗な終わり方だったと思う。それに、美音さんがいる限り気のいい常連たちの憩いの場になるは間違いなく、いつもの温かいやり取りが繰り広げられるのが容易に想像できる。