いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?8」手島史詞(HJ文庫)

聖なる夜がやってくる!
旧友マルクの行方を追うザガンだが、街では〈アーシエル・イメーラ〉という祭に向けて浮かれた空気が漂っていた。どうやらそのお祭りは、大切な人にプレゼントを送るイベントとのこと。
祭りに出遅れて右往左往するザガンとバルバロス、脳天気にも遊びにくるステラとアルシエラ。そしてなぜか黒猫の姿になってしまった黒花。彼女は何者かに追われており、どうやらこの事件もまた〈魔王〉が関わっている様子で――。
大人気ラブコメファンタジー絶好調の第8巻!


シリアスとコメディが入り混じる群像劇が繰り広げられるシリーズ第8弾。
旧友マルクを探すザガンと、街で不死者に追われる2+2名がシリアス組。〈アーシエル・イメーラ〉というこの世界のクリスマスのサプライズパーティを成功させたいフォルやゴメリ、プレゼントを調達したいネフィなどがコメディ組。その明暗ばらばらな思惑が交差していく。
こうしてみると仲間が随分増えたな、と実感する。ステラとアルシエラまで前回から引き続きの登場で仲間のような扱いだし、登場が敵で今も教会側の黒花が今回のメインのような扱いだし。ザガンの人柄が表れていて良いことではあるのだが、キャラクターが増えすぎて、忘れ去られるキャラも出てくるんじゃないかと一抹の不安が。ああ、だからこそ一人一人の考えが分かる群像劇だったのかな。
今回の群像劇は、みんなが別行動でバラバラだったからこそ感じるザガンファミリーの結束の強さと、人が良く気も良い「いい奴」ばかりの清々しさが、とても良い話だった。ただ、ザガンとネフィまで別行動だったのでイチャイチャが少なかったのはちょっと残念。
次はもっとイチャイチャしてほしいところだが、きな臭い伏線色々で、そろそろシリアス展開になりそうな予感が。あのおチビ魔王がまたちょっかいかけてくるのか、しつこいなあ(^^;