いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「継母の連れ子が元カノだった2 たとえ恋人じゃなくたって」紙城境介(角川スニーカー文庫)

親の再婚できょうだいになった水斗と結女は、元恋人同士。
両親の前では“家族”らしく振る舞うも、二人きりになるとあの頃の思い出が蘇り、やっぱりお互いが気になる日々で――。
そんな中、水斗の前にぼっち系オタク少女・東頭いさなが現れ、二人はすぐに意気投合! 図書室で放課後を過ごす関係に!?
ただの気の合う友達だと真顔で言い張る水斗といさなの、友達以上な距離感に結女はやきもき。しかも、
「わたし、水斗君の彼女に、なれますか……?」
徐々に水斗への恋心を自覚していくいさなを、”水斗の義姉(おねえちゃん)”として応援することに!?
恋と友情ときょうだいの絆が錯綜する、『水斗攻略作戦』が始まる!


本人たちはいがみ合ってるつもりで、周囲には糖分を振りまいている義理のきょうだいの日常を描く、元カレ/元カノとひとつ屋根の下ラブコメ第2弾。
ベタ惚れじゃないか。
と、1巻でも同じこと言った気がするが、今回はさらに甘さ増し増し。
反発しながら気が合ってるところとか、黒歴史と言いつつ事細かに全部覚えているところとか、単純に仲良しな描写をされるよりも、よっぽど見せつけられている感がある。
2巻は水斗は優しい面が、結女はポンコツな面が強く出ていた印象。仮面優等生の結女さん、その仮面簡単に外れすぎじゃないですかね? だからこそ可愛いんだけど。クマさんパジャマからのお眠までの流れが最高だった。このポンコツ具合は、今回娘同様色々やらかしていた母の血なんだろうなあ。
後半は新ヒロインのぼっちなオタク少女・東頭いさなが登場。
役割としては当て馬な可哀想な役回り……のはずだったのに、どうしてこうなった? 気まずさを感じるポイントが違うんだろな。これも一つの「空気読めない」なんだろうか。おかげでしんみりした空気にならず、どんでん返しの面白さに、メインヒロインの可愛いところを純粋に楽しめる冴えたラストに。おまけに本人の魅力もアップしたし(ヒロイン的な魅力ではないが)
そんなわけで、2巻もニヤニヤシーンのオンパレードで面白かった。
今回は水斗の良い面ばかりが見えて、黒歴史の攻撃力も結女の方が断然高かったので、次は水斗がダメになるパターンも読みたいねえ。