いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「子守り男子の日向くんは帰宅が早い。2」双葉三葉(角川スニーカー文庫)

5歳の妹・蕾の面倒を見るため放課後はすぐに帰宅する高二男子、新垣日向。彼の夏休みは、クラスの陽キャ女子・唯や学年のヒロイン悠里に巻き込まれ、キャンプや花火大会とイベントで大忙し。「皆と一緒に、高校生をするの。一人じゃ出来ない事を皆で一緒にやるの」。日向に淡い想いを寄せる悠里とはさらに距離が縮まり、しかも、幼馴染みで後輩の日和とも2年ぶりのテニスでなんか良い雰囲気に。蕾が楽しそうなので「こんな夏休みも悪くない」と思っていた日向は、偶然年上美女・初島霧子と知り合う。彼女との出会いをきっかけに、日向は自分の過去と向き合うことに……。ほんわか学園ラブコメ、転章の第2巻!


後輩ヒロイン日和の本格参戦で、ラブコメモードに突入!……したような、してないような。
日向に対して気になる男の子の域は出ていない悠里は恥ずかしさが勝ち、日向が大好きな日和は後から入ってきたこと対する遠慮が勝ちと、控えめなアピール合戦が繰り広げられていた。その様子がなんだか可愛らしくて、ラブ<ほんわかなこの作品らしい。
そんなわけで、1巻よりかはラブコメらしくなったものの、本質はやっぱり心温まるホームコメディ。
前にも増して「新垣兄妹、愛されてるなー」って内容だった。誰もが蕾と日向を何とかして楽しませようと動いている様子に、何度もほっこり。作中で表現されている以上に日向の頑張る姿は、人の心を打つのだろう。
周りには色々とツッコまれてたけど、今回のMVPは唯でしょう。常に周りを笑わせて、自分も存分に楽しんでいるのがいい。どこかで自分を殺している日向に、是非とも見習ってほしい姿。そして、そんな日向を気に掛けてくれる大人との出会いも。
蕾ちゃんの天使のオーラは変わらず、日和が上級生四人組の中に思いの外すんなりと馴染んで、本当にみんなが優しくて、1巻同様ほんわか陽だまりのような空気感でとても良かった。
新たな出会いでちょっとだけ我がままになった日向君がどう変わっていくのか。自分の気持ちを自覚した悠里と、遠慮がなくなるきっかけがあった日和との三角関係共々目が離せない。