いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ひとり飲みの女神様 2杯目」五十嵐雄策(メゾン文庫)

秋本番。お酒大好きOL月子が出かけたのは、東京・青梅の蔵開き。『純米生原酒しぼりたて』に『純米大吟醸』、三百年ものの杉で作った木桶で寝かせた日本酒に、梅酒や竹酒……。ずらりとそろう銘柄を前に“日本酒帝王"月子はどこまで飲み干せるか!? さらに、昔は日本酒が大の苦手だった月子が、一瞬にしてその価値観を変えるきっかけになった幻の“花薫る日本酒"も登場。飲み女子必読の大人気ごほうび晩酌小説、待望の第2巻(おかわり)登場!


毎週金曜にひとり飲みを楽しむ女性・川本月子が主人公だった1巻目と違い、2杯目は月子、1巻で友人になった星菜やその兄鷹介が、それぞれに初見の居酒屋を楽しんだり、また合流してお酒を楽しんだりする話。ひとり飲みの要素は薄れたが、出会いや場の空気を楽しむコンセプトはそのまま。
そんな人も人数もバラバラだった中で、一貫したテーマだったのが日本酒。居酒屋での注文はもちろん、蔵開きに行ったり、イベントに行ったり、禁断の日本酒風呂まで、日本酒で染められた一冊だった。

相変わらず大都市ならではのお酒の楽しみ方が羨ましい。特に東京は安い電車賃でどこでも行けるもの。田舎で飲もうと思ったら誰かが犠牲になるか、飲み代と同じくらいのタクシー/代行代を払うかしかないからね……。
イベント系で楽しそうだったのは蔵開き。利き酒やってみたい。蔵開きを調べて、その時期に合わせて一泊旅行を計画するのもいいな。そんな暇、今年中には到底出来そうにないけど……。
はっ!
1巻にも増して楽しそうだったので、妬みと愚痴が駄々洩れになってしまった。
味を想像させることより、場の雰囲気で酒と料理を美味しく魅せるタイプの飯テロ小説。呑兵衛田舎者にはちょっと毒かも。