いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ニセモノ夫婦の紅茶店 ~あの日の茶葉と二人の約束~」神戸遥真(メディアワークス文庫)

神経質で毒舌な秀二と、明るくて社交的なあやめ。紅茶専門の喫茶店『Tea Room 渚』を営む“夫婦”は、実は4つのルールで結ばれた赤の他人同士だ。偽りの関係を通して次第に秀二への恋心が高まるあやめだけど、気になるのは《どちらか一方の申し出で、いつでも関係を解消できる》というルールの存在で……。
家族に秘密を抱える常連さん、嘘つきな女性客、そして因縁のあの人。様々なお客さんと出会い“夫婦”は何を決意するのか――優しい紅茶恋物語、恋の香り深まる第二弾。


館山で紅茶専門喫茶を営む仮初の夫婦の物語、第二巻。
別に稼ぎがあるとはいえ、ご近所とあやめの関係者しか来てないけど、この店大丈夫か? と思ったら冬だからか。確かに冬の館山は他の季節に比べれば観光客少なそう。
そんなわけで1巻よりさらに喫茶店感が薄れてしまった気がするけれど、偽りなのに綺麗に歯車が噛み合っている、秀二とあやめの様子が読めれば満足なので、まあいっか。あやめの相変わらずの猪突猛進ぶりに苦笑いしつつ、前より少し、そしてまた少しずつ距離が縮まっている二人の様子が微笑ましい。
そんな順調な二人なので、仲を試すようにやってくるあやめの友人や元カレの来訪も、1巻での危なっかしさは薄れて安心感すらあった。特に元カレのエピソードでは、秀二の方の好意と執着が見えたのがよかった。
というか、ここまで言っておいて、関係そのままなの? これはもう、次を出して結婚エンドにするしかないよね。