いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おいしいベランダ。 返事は7日後のランチで聞かせて」竹岡葉月(富士見L文庫)

まもりとお隣に住む恋人・葉二のベランダ菜園には、華やかなパッションフルーツも加わって、夏が楽しみな季節。
同時に、まもりは就職にむけて心が騒ぐ大学3年目に。教職を目指す湊ちゃんと違って、何をすべきか悩んでしまうけれど……!
就職活動の手がかりに、企業インターンシップに参加したまもりは、自分がどう働きたいかを掴みはじめる。着々と将来を考える彼女の横で、葉二は「神戸に引っ越す」と言い出せないまま焦りばかりつのって――。
二人とベランダの転換点がやってくる第7巻!

かつての仲間と仕事をするため関西に移ることが決まった葉二と、就職活動が本格化し、説明会にインターンシップにと大忙しのまもり。二人の関係に最大のピンチが?なシリーズ第7巻。

いやあ、ここまで引っ張るとは思ってなかった。
亜潟さんのヘタレ……と言いたいところだけど、男はいくつになっても、自分に自信がないところにはとことん自信がなくて、うじうじと悩んでしまう生き物なのですよ。
一度気を失ったらなかなか言い出せなくなるところとか(これに関しては半分は絶妙に間の悪いまもりの所為だが)、想定外が起こるとテンパってしまうところとか、それで失敗してガチ凹みするところとか。あるあるわかるわかると、今回はいつも以上に葉二目線で読んでいた。というか、この一冊が葉二中心の作りだった。
それに、ヘタレてくれていたおかげで、割と後半まで二人でいる時はいつもの雰囲気だったし。まもりの悩む期間が長くて重苦しい雰囲気なのも嫌なので。
そんなこんなで、最後の最後になった告白タイム。
純粋に良かった。
日本語のぐちゃぐちゃ具合に必死さが出ていて、まもりへの予想以上の執着と愛情が感じられてニヤニヤ度マックス。可愛い生き物だなあ、二人とも。
いい感じに終わってるけど、続き出ますよね?
せめて神戸の地で「おいしいベランダ」が復活するまでは見届けさせてください。